最終更新:2026年8月
シドニーのロックス地区を歩いていたら、通り沿いのテラス席から笑い声が聞こえてきました。見上げると、庇にこう書いてあります。
FORTUNE of WAR — SYDNEY’S OLDEST PUB。

2026年8月、家族3人でのシドニー旅行。到着日の午後、オペラハウスを見て回ったあとに歩き疲れて、「どこかで座ろう」と入ったのがこのパブでした。狙って来たわけではなく、完全に足が止まった場所です。
この日の午前中に参加したオペラハウスの日本語ガイドツアーについては、▶ オペラハウス日本語ツアー完全ガイド|30分A$37で見た世界遺産の内部 にまとめています(約300段の階段やベビーカーの扱いなど、子連れで行くときの注意点も追記しました)。
のんたん「シドニー最古のパブ」って書いてあるお店に、たまたま足が止まって入る。旅のこういう偶然、たまらないんですよね!
シドニー最古のパブ フォーチュン・オブ・ウォーはロックスのどこにある?
場所はジョージ・ストリート137番地。サーキュラーキーのフェリー乗り場から歩いて5分ほどで、ロックス散策の動線のど真ん中です。オペラハウスやハーバーブリッジを見たあと、そのまま流れで着いてしまう位置にあります。


創業は1828年。元囚人から実業家になったサミュエル・テリーという人物が建てたパブで、「同じ場所で最も長く営業許可が続いているパブ」を根拠に、シドニー最古を名乗っています。
ただ、正直に書いておくとこの「最古」は決着していません。近くのロード・ネルソン・ホテル(1841年)も「同じ場所で営業し続けている最古のパブ・ブルワリー」を名乗っていますし、ヒーロー・オブ・ウォータールー(1845年頃)もいます。植民地時代のシドニーには非公認の酒場が無数にあったので、そもそも一位を決めきれないんです。
そしてもうひとつ。写真を見ていて「1828年の建物にしては新しくない?」と思った方は鋭いです。今の建物は1921年に建て替えられたもの。中身のレンガは20世紀のもので、200年続いているのは営業許可のほうなんですね。
え、じゃあ「一番古い」って何が一番古いの? 建物じゃないんだ
小3のメイのこの質問が、けっこう本質を突いていました。「お店が古い」って、建物のことなのか、営業の連続性なのか、名前のことなのか。看板の一言を鵜呑みにせず「何が一番なんだろう」と分解して考える——旅先の看板は、そういう練習にちょうどいい教材だなと思いました。
テラス席の居心地と、me&uのアプリ注文
入口を入らず、通りに面したテラス席に座りました。オレンジのパラソルが並んでいて、目の前を観光客が行き交います。歩き疲れた足を投げ出して、街を眺めながら休むにはちょうどいい席でした。


驚いたのが注文方法です。テーブルに小さな円盤が置いてあって、そこに「scan, order, pay」と書かれたQRコードとテーブル番号があります。読み取ると me&u というアプリが開いて、席に座ったまま注文も支払いも完結する仕組みでした。


店員さんを呼び止める必要も、レジに並ぶ必要もありません。英語で口頭注文する緊張もゼロ。海外のパブで子ども連れだと「席を立ちたくない」場面が多いので、これは地味にありがたい仕組みでした。



席を立たずに追加注文できると、1杯で終わるはずのテーブルが2杯目に進むんですよね。回転率ではなく客単価を上げにいく設計で、観光地のテラス席とは相性がいいと思います。
紙のメニューもちゃんとあります。バースナックからメイン、キッズメニューまで1枚に収まっていて、見開きの反対側がドリンクリストでした。




注文したもの|チップスとキッズメニュー、そしてビールで乾杯
マイと二人でビールを頼んで、まずは乾杯しました。旅の初日の午後、歩き回ったあとの一杯です。
- クーパーズ・ペール(パイント) 14.40豪ドル=約1,400円
- ハーン・スーパードライ(スクーナー) 11.40豪ドル=約1,100円
- チップス(アイオリ付き) 12豪ドル=約1,200円
- キッズ・ハーフチキンシュニッツェル 15豪ドル=約1,500円
豪州のビールはパイント(約570ml)とスクーナー(約425ml)でサイズが選べるのが面白いところ。同じ値段帯でも量が違うので、昼から飲むならスクーナーのほうが軽くて正解でした。
つまみに選んだチップスは、揚げたてで塩がしっかり効いていて、アイオリを付けると止まらなくなるやつです。
ちなみに僕はタコ・貝・甲殻類が苦手なので、看板メニューのソルト&ペッパー・カラマリやプローン・リングイネは最初から選択肢の外でした。マイは海鮮が好きなので少し申し訳なかったのですが、チップスなら誰も外さないので落とし所としては悪くありません。
メイが選んだのは、キッズメニューのハーフチキンシュニッツェル。パン粉をつけて揚げた鶏むね肉に、チップスとサラダ、そしてトマトソースが付いてきます。


これ、とんかつじゃん! 海外なのに知ってる味がする!
シュニッツェルはもともとオーストリアやドイツの料理で、日本のとんかつとルーツをたどると近い場所に行き着きます。「知らない国の知らない料理」だと思って身構えていたメイが、一口で警戒を解いた瞬間でした。海外旅行で子どもが食事に困ったとき、シュニッツェルは強い味方だと覚えておくと役に立ちます。
会計は3人で59.29豪ドル|キッズメニューはドリンク付きでした
アプリで頼んだぶん、明細がそのまま手元に残りました。実際の会計がこちらです。


3回に分けて注文したので明細も3枚。合計は59.29豪ドル=約5,900円(1豪ドル=約100円換算、2026年8月時点)でした。大人2人がビールを1杯ずつ、つまみ、子どものごはん。シドニーの物価と、ロックスという最上級の観光立地を考えれば、妥当なところだと思います。
ここで、正直に失敗も書いておきます。3枚目の明細にあるペプシ5.50豪ドル。これ、払わなくてよかったお金でした。
メニューのキッズメニュー欄をあとで読み直したら、見出しの横に小さくこう書いてあったんです。「ALL KID’S MEALS INCLUDE A SOFT DRINK OR JUICE」——キッズメニューにはソフトドリンクかジュースが1杯付く。気づかずに別で注文してしまいました。



約550円の授業料でした…! 海外のキッズメニューはドリンク込みのことが多いので、頼む前にひと呼吸おいて見出しの小さい字を読んでください!
もうひとつ明細で目に付くのがカード手数料(Card Surcharge)です。3回の注文でそれぞれ0.64/0.26/0.09豪ドル、合計約1豪ドル。金額としては小さいのですが、オーストラリアではカード決済に数%の手数料が上乗せされるのが普通で、店頭にもその旨の掲示があります。逆にチップの習慣はないので、日本人の感覚では会計の総額は読みやすいほうです。



キッズメニューにドリンクを付けて15豪ドルで揃えるのって、子ども1人あたりの単価を固定しつつ親を長く座らせる設計なんですよね。うちはその親切に気づかず1杯余分に払ったわけですが。
ロックス散策のワンポイント|テラスで休むタイミングと夜の顔
この一帯は、同じようにテラス席を出しているお店が軒を連ねています。石畳の通りにパラソルが並んで、どの店も気持ちよさそうに見えるので、正直「どこでもいい」くらいの選択肢の多さです。


パブのベランダの下から通りを見ると、こんな眺めです。パラソルの上に電球のガーランドが渡してあって、夜になるとここに灯りが入ります。


子連れでロックスを歩くなら、スポットとスポットの間に「座る時間」を最初から組み込んでおくのがおすすめです。オペラハウスもハーバーブリッジも歩く距離が長いので、子どもの集中力は昼過ぎに一度切れます。そこで無理に次へ行かず、テラスで30分座るだけで午後の機嫌が全然違いました。
- 金〜日はマーケットが立つ:ロックス・マーケットは金曜10〜15時、土日10〜17時。ジョージ・ストリート沿いに露店が並ぶので、散歩とセットにすると密度が上がります
- テラスは早い時間から開いている:併設のビストロとテラス席は朝7時から。ランチのピーク前に押さえると席を選べます
- ライブ音楽は水〜日:夜は生演奏が入ります。子連れでゆっくり座りたいなら昼のほうが向いています
- 現金よりカードが前提:アプリ注文はカード払い。手数料は乗りますが、両替を減らせるぶん結果的に楽でした
ちなみに夜。同じ通りを別の日に通りかかったら、まったく違う顔をしていました。


建物の間に電球が渡されて、テラス席は満席。昼の「休憩する場所」から、夜の「集まる場所」に切り替わっていました。同じ店でも時間帯で別物になるので、大人だけの日があるなら夜も面白いと思います。
今回の食育・旅育まとめ
- 「一番古い」を分解して考える:看板の「シドニー最古」に対してメイが「何が一番古いの?」と聞いた。建物は1921年築、続いているのは営業許可のほう。看板の言葉を鵜呑みにしない目が育った瞬間でした
- 知らない料理に自分でたどり着く:シュニッツェルを一口食べて「これ、とんかつじゃん!」。知らない国の料理と自分の知っている味が線でつながって、海外の食事への警戒がその場でほどけた
- メニューは最後まで読む:キッズメニューにドリンクが付くのを見落として、ペプシを1杯余分に払った。「書いてあることを最後まで読む」を、親の失敗という一番効く形で見せられました
★ フォーチュン・オブ・ウォーの総合評価
★ 総合評価(家族3人・2026年8月訪問)
料理のクオリティ ★★★☆☆(頼んだのはチップスとキッズのシュニッツェル。どちらも揚げたてで塩気もちょうどよく、きちんと美味しかったです。ただ今回はつまみと子どもの一皿だけで、ラザニアやサーモンといったメインを試していないので、厨房の実力を語れるところまでは行っていません。正直に普通と書きます)
コスパ ★★★☆☆(大人ビール2杯+チップス+キッズプレート+ソフトドリンクで59.29豪ドル=約5,900円。パイント14.40豪ドルはシドニーのパブとして相場どおりで、ロックスの一等地であることを考えれば妥当な価格相応です。キッズプレート15豪ドルにドリンクが付くぶんはお値打ち)
子連れのしやすさ ★★★★☆(キッズメニューが3種あり、いずれも15豪ドルでソフトドリンクかジュース付き。通りに面したテラス席は間隔に余裕があり、席を立たずにアプリで注文・支払いまで済むので、子どもから目を離さずに済みました。ベビーチェアの有無は未確認です)
アクセス・利便性 ★★★★☆(ジョージ・ストリート137番地。サーキュラーキーのフェリー乗り場から徒歩5分で、オペラハウス・ハーバーブリッジ観光の帰り道にそのまま組み込めます。駐車場はなく、公共交通か徒歩が前提です)
▶ あわせて読みたい:モリソンズ シドニー実食|ハッピーアワーは席で条件が変わる一人飲みの正解(同じジョージ・ストリート沿いのパブを、ひとり旅で訪ねたときの記録です)
このクラスターの全体まとめはシドニー2泊3日 子連れ旅の全記録|ヒルトン泊とコアラと無料の街歩きでまとめています。あわせてどうぞ。
施設情報
【施設名】フォーチュン・オブ・ウォー(Fortune of War / Bistro 1828)
【所在地】137 George Street, The Rocks, Sydney NSW 2000, Australia
【電話番号】+61 2 9247 2714
【営業時間・定休日】パブ(メインバー)月〜日 9:00〜レイト/ビストロ1828・テラス席 月〜日 7:00〜レイト(ライブ音楽は水〜日)
【料金目安】バースナック10〜30豪ドル、メイン28〜36豪ドル、キッズメニュー15豪ドル(ソフトドリンクまたはジュース付き)、ビール11〜15豪ドル前後。1豪ドル=約100円換算、2026年8月時点
※カード決済には数%の手数料が加算されます。最新の営業状況等は、必ず公式HPをご確認ください。
家族旅行の一日って、行きたい場所を詰めこむほど、途中で誰かの電池が切れますよね。でもその「座った30分」が、あとから思い出すといちばん記憶に残っていたりします。メイも「とんかつじゃん!」と目を丸くしたあの一皿のことを、いまだに話に出してきます。我が家は、宿はいいところをできるだけコスパ良く押さえて、そのうえで現地の食事や体験にはしっかり飛び込む、という組み立てが好きです。歩く距離が長い街ほど、休憩する店を先に決めておくと一日が楽になりますよ。素敵な旅になりますように!
フォーチュン・オブ・ウォーのよくある質問
フォーチュン・オブ・ウォーは子連れでも入れますか?
入れます。キッズメニューが3種(ハーフチキンシュニッツェル/フィッシュ&チップス/キッズパスタ)あり、いずれも15豪ドルでソフトドリンクかジュースが付きます。通りに面したテラス席は席の間隔に余裕があり、我が家も小学生の娘と3人で利用しました。夜はライブ音楽が入るので、子連れなら昼のほうが落ち着きます。
予約は必要ですか?注文はどうやってしますか?
テラス席は空いていればそのまま座れます(公式サイトから席の予約も可能です)。注文はテーブルのQRコードを読み取り、me&u というアプリで席に座ったまま注文・支払いまで完結する方式でした。店員さんを呼び止める必要も、英語で口頭注文する必要もありません。
予算はどれくらい見ておけばいいですか?
我が家は大人2人のビール(パイント14.40/スクーナー11.40豪ドル)、チップス12豪ドル、キッズプレート15豪ドル、ソフトドリンク5.50豪ドルで、カード手数料とGST込み59.29豪ドル=約5,900円でした。しっかり食事をするならメインが28〜36豪ドルなので、大人1人あたり50〜60豪ドルを見ておくと安心です。
本当にシドニーで一番古いパブなのですか?
1828年創業で、同じ場所での営業許可が最も長く続いていることを根拠に「シドニー最古のパブ」を名乗っています。ただし現在の建物は1921年の建て替えで、ロード・ネルソン・ホテル(1841年)なども別の基準で最古を主張しているため、決着はついていません。何をもって「最古」とするかで答えが変わる、というのが正確なところです。
周辺にあわせて回れる場所はありますか?
サーキュラーキーのフェリー乗り場から徒歩5分で、オペラハウスとハーバーブリッジはどちらも徒歩圏です。金曜10〜15時、土日10〜17時にはジョージ・ストリート沿いでロックス・マーケットが開かれ、周辺にも同じようなテラス席の店が軒を連ねているので、散歩の途中で座る場所には困りません。









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