シドニーCBDのジョージ・ストリートを歩いていると、赤レンガの角地に黒い庇(ひさし)が突き出した一角があります。庇には白い文字で「OYSTER BAR & GRILL」。反対側には「JOHNSON’S」。2026年7月、この建物の前を通りかかって足が止まりました。
今回のシドニーは、僕ひとりの旅です。マイとメイは日本でお留守番。夕方の予定を何も決めていなかったので、ホテルに戻る前に一杯だけ寄ってみることにしました。結果から言うと、この「一杯だけ」の判断がいちばん正解でした。
のんたんひとり旅の夕方って、じつは持て余すんですよね。予約なしでふらっと入れて、しかも当たりだったので嬉しくなりました!
ハッピーアワーは「どの席に座るか」で条件が変わる
入口で「立ち飲みカウンターか、テーブル席か」と聞かれる
ちょうどハッピーアワーの時間帯に着いたのですが、入口で最初に聞かれたのが「立ち飲みカウンターにするか、テーブル席にするか」でした。なんとなくで席を選ぶ場面なのですが、ここが実は分かれ道です。
立ち飲みカウンターの側を見ると、頼んでいないホットドッグがサービスで出ていました。モリソンズのハッピーアワーには「シェフのおまかせで、無料のスナックがローテーションで出る」という仕組みがあり、この日はそれがホットドッグだったわけです。僕はテーブル席を選んだので、このスナックは付きませんでした。



立ち飲みの側にだけスナックを付けるの、回転と単価を両方取る設計なんですよね。長く座る席には値引きだけ、立ち飲みには「もう一杯」を呼ぶ塩気を置く。よくできていると思います。
レシートで答え合わせ——ドリンクにはちゃんと効いていた
正直に書くと、僕はお店を出るまで「テーブル席だからハッピーアワーは適用されなかったんだな」と思い込んでいました。無料スナックが来なかったので、まるごと対象外だと勘違いしていたんです。
ところが帰国してからレシートを見返して、ちゃんと割引が入っていたことに気づきました。ビール(Great Northern Super Crisp のスクーナー)は定価12.70豪ドル。そこに「HAPPY HOUR -5.20豪ドル」。公式のハッピーアワー価格はスクーナー7.50豪ドルなので、12.70 − 5.20 = 7.50 でぴったり一致します。


つまり、テーブル席で変わるのは「無料スナックが付くかどうか」であって、ドリンクの割引そのものは席に関係なく入る、ということでした。現地では気づけなかったので、同じ勘違いをする方がいるかもしれません。
- 時間帯は平日の16:00〜18:00(週末は対象外)
- スクーナー・ワイン・スピリッツが7.50豪ドル、ネグローニとアペロールスプリッツが12豪ドル
- 無料スナック(この日はホットドッグ)はバーエリア側。テーブル席には付かない
- ドリンクの割引は、テーブル席でも入る
ちなみに店頭にはウィンターメニューの一枚板が出ていて、入る前に価格をひと通り確認できます。オイスターはナチュラルが1個7豪ドル、キルパトリックやビアバッターが7.5豪ドル。ステーキの部位と産地がずらりと並んでいるのを見て、この時点でもう「今日はステーキだな」と決めていました。


窓際のテーブルから、ジョージ・ストリートを眺めながら一杯
通されたのは窓際のテーブル席でした。オーク材の天板に、真鍮の小さなランプ、ペッパーミル、ナプキンに包まれたカトラリー。ひとりには広すぎるくらいの四角いテーブルです。


見上げると、天井は木を張った温かいトーンで、球体のランプを集めたシャンデリアが下がっています。奥にはボトルが並んだバックバー。もともとこの建物は歴史のあるパブで、いまの内装はその骨格を活かしたものです。派手さはないのに、居るだけで少し背筋が伸びる感じがしました。


まずビール。Great Northern Super Crisp のスクーナーです。コースターの上に置かれた細長いグラスに、泡が指一本ぶん。よく冷えていて、外を歩いてきた身体にちょうどよかったです。


そしてこの席のいちばんの価値は、窓の外でした。ジョージ・ストリートはライトレールが走る目抜き通りで、仕事帰りの人、待ち合わせの人、自転車が次々と流れていきます。その向こうには照明の入ったビルの列。街ゆく人々を眺めながらのビール一杯に、はっきりと風情がありました。





ひとりだと会話がない分、こういう「窓の外」がごちそうになるんですよね。マイに写真だけ送ったら羨ましがられました!
それと地味に助かったのが水です。頼めば無料の水を出してくれます。シドニーは空港でペットボトルの水が4.5豪ドルする街なので、これは素直にありがたかったです。
実食——リークスープとテンダーロイン240g
ポテト&リークスープ、アヴルーガキャビア(17豪ドル)
白い縁取りの皿に、淡いクリーム色のスープ。中央に黒い粒がひとかたまり乗っていて、これがアヴルーガキャビアです。表面には泡立てたクリームとオリーブオイルの小さな輪、刻んだハーブ。


キャビアがしっかり入っていて、塩味と風味がちゃんと立っていました。ポテトとリークのスープ自体はやさしい味なので、その上に塩気と香りが乗ってくる構成です。17豪ドルという値付けの理由が、ひと口でわかる一皿でした。
テックスアンガス・ヘレフォード テンダーロイン240g(58豪ドル)
メニュー板によると、このテンダーロインはニューサウスウェールズ州リヴェリナ産のグラスフェッド(牧草飼育)。180gが40豪ドル、240gが58豪ドルという2サイズ展開で、僕は240gを選びました。
注文のときに焼き加減を聞かれます。迷ったのでおすすめを尋ねたら「ミディアムレア」と即答だったので、素直にそれで。


運ばれてきた皿は、白い楕円の大皿にスライスされた断面が並び、たっぷりのジュ(肉汁のソース)が広がっています。上には緑のペッパーコーンとハーブ。断面はきれいなロゼでした。
食べてみると柔らかくて、しっかりと肉の旨みがありました。グラスフェッドと聞くと痩せた赤身を想像しがちですが、そういう物足りなさはまったくなくて、噛むほど味が出るタイプ。ペッパーコーンのソースが赤身の香りを持ち上げてくれます。おすすめどおりミディアムレアで頼んで正解でした。
ステーキは30分ほど待つ——「つなぎの一皿」を先に頼むのが正解
ひとつだけ、知っておくと役に立つことがあります。ステーキは焼き上がりまで30分ほどかかりました。急いでいる人には向きません。
僕は先にリークスープを頼んでいたので待ち時間が気になりませんでしたが、ステーキだけを注文していたら、けっこう長い空白になっていたはずです。オイスターでもスープでも、つなぎになる一皿を一緒に頼んでおくのを強くおすすめします。



グリルで焼く以上、30分は物理なんですよね。だから先に出せる一皿をメニューの手前に厚く置いてある。待ち時間を空白にしない構成だと思います。
接客についても書いておきたいです。スタッフの皆さんがとにかく陽気で明るくて、ひとりで座っていても居心地が悪くなりませんでした。ここは数字に出ない部分ですが、ひとり客にとってはかなり大きいところだと思います。
日が落ちたジョージ・ストリートと、この日の会計
食べ終わって外に出ると、空が濃い青に変わっていました。庇の下の丸いランプに灯りが入り、街路樹の葉が照らされて、昼とはまるで別の顔です。


庇に沿ってテラス席が並んでいて、こちらも雰囲気がありました。次に来ることがあれば、天気の良い日はテラスを選んでみたいです。


そして会計です。ビール、リークスープ、テンダーロイン240gの3品で82.50豪ドル。日本円だとおよそ9,500円でした(1豪ドル≒115円換算)。
この日の会計の内訳(2026年7月・ウィンターメニュー)
Great Northern Super Crisp スクーナー … 12.70豪ドル
ポテト&リークスープ(アヴルーガキャビア) … 17.00豪ドル
テックスアンガス・ヘレフォード テンダーロイン240g … 58.00豪ドル
ハッピーアワー割引 … -5.20豪ドル
SUB TOTAL … 82.50豪ドル(GST 7.03豪ドル込/約9,500円)
▼ 支払いで変わる金額
現金・デビット等 … 82.50豪ドル
カード(Stripe 2%) … 84.15豪ドル
カード(SevenRooms 2.5%) … 84.56豪ドル
チップ欄は空欄のまま=チップは不要。日本と同じ感覚で問題ありません。



チップ欄が空で、カードだけ2%上乗せ。コストを隠さず価格に出す考え方なんですよね。日本と逆で最初は戸惑いますが、こちらの方が正直で読みやすい気がします。



9,500円は安くはないですが、シドニーは空港の水が4.5豪ドルする街です。その物価の中で、ちゃんとしたステーキとスープとビールでこの金額なら納得でした!
★ モリソンズの総合評価
★ 総合評価(ひとり利用・2026年7月訪問)
料理のクオリティ ★★★★☆(リヴェリナ産グラスフェッドのテンダーロイン240gは、ミディアムレアで柔らかく赤身の旨みがしっかり。リークスープもアヴルーガキャビアの塩気と風味が立っていました。ただシドニーCBDのグリル店として頭一つ抜けた唯一性まで名指せるかというと、そこまでではありません)
コスパ ★★★☆☆(3品82.50豪ドル=約9,500円は、この街の物価では妥当な価格相応の水準。ハッピーアワーのドリンク5.20豪ドル引きは効きますが、会計全体を動かすほどではありません。チップ不要と現金なら手数料ゼロは地味に効きます)
ひとり・出張での使いやすさ ★★★★☆(立ち飲みカウンターとテーブル席を入口で選べて、窓際なら街を眺めながら一杯できます。スタッフが陽気で、ひとりでも居心地が悪くなりませんでした。ステーキは30分待つので、時間に余裕がある日向きです)
アクセス・利便性 ★★★★☆(ジョージ・ストリートとグロブナー・ストリートの角。ライトレールの走る目抜き通り沿いで、ウィンヤード駅からもサーキュラーキーからも歩けます。ロックス地区の観光とつなげやすい位置です)
ひとり旅の夕方に、予約なしでふらっと入って、ちゃんとしたステーキを食べて、窓の外の街を眺めて帰る。そういう夜を過ごしたい人には、かなり良いお店だと思います。
このクラスターの全体まとめはシドニーソロ旅まとめ|ANA修行×お得ビジネスで巡る世界遺産1泊2日でまとめています。あわせてどうぞ。
施設情報
【施設名】Morrison’s Oyster Bar & Grill(モリソンズ・オイスターバー&グリル)
【所在地】225 George Street, Sydney NSW 2000, Australia(ジョージ・ストリート/グロブナー・ストリートの角)
【営業時間・定休日】11:30〜Late(月〜日)/ハッピーアワー 平日16:00〜18:00
【料金目安】オイスター 7豪ドル〜/個、ポテト&リークスープ 17豪ドル、テンダーロイン 180g 40豪ドル・240g 58豪ドル(2026年7月のウィンターメニュー時点)
【電話】+61 2 9247 6744
【公式HP】https://morrisons.sydney/
※メニューと価格は季節で入れ替わります。最新の営業状況等は、必ず公式HPをご確認ください。
慣れない街でお店を選ぶのって、けっこう気を使いますよね。とくにひとりだと「入ってみたら違った」がそのまま今日の夕食の失敗になるので、慎重にもなります。その分、当たりを引いたときの嬉しさも大きいです。モリソンズに行くなら、平日の16時から18時のあいだに着いて、まずスープかオイスターを頼み、それを食べながらステーキを待つ——この順番だけ覚えておけば、たぶん失敗しません。人気のお店で夕方から埋まっていくので、気になった方は公式サイトから空席状況を確認してみてくださいね。良い夜になりますように!
モリソンズのよくある質問
モリソンズのハッピーアワーは何時からですか?
平日の16:00〜18:00です(週末は対象外)。スクーナー・ワイン・スピリッツが7.50豪ドル、ネグローニとアペロールスプリッツが12豪ドルになります。バーエリアにはシェフのおまかせで無料スナックが出ますが、テーブル席には付きません。ドリンクの割引自体はテーブル席でも入りました。
モリソンズは予約なしでも入れますか?
僕が行った日は予約なしのテーブル席で問題なく入れました。ただ夕方から混んでいくので、時間を決めて行くなら公式サイトのオンライン予約が確実です。10名以上のグループは1人89豪ドルからのシェアメニューが必要で、20名を超える場合は店へ直接問い合わせる案内になっています。
ステーキはどのくらい待ちますか?
テンダーロイン240gで30分ほどかかりました。注文時に焼き加減を聞かれるので、迷ったらおすすめを尋ねると答えてくれます(僕はミディアムレアを勧められました)。待ち時間が長いので、スープやオイスターなど先に出る一皿を一緒に頼んでおくのがおすすめです。
チップやカード手数料はかかりますか?
レシートのチップ欄は空欄のままで、チップは不要でした。一方でカード払いには手数料が上乗せされ、僕のレシートではStripe経由が2%、SevenRooms経由が2.5%と明記されていました。82.50豪ドルの会計なら84.15〜84.56豪ドルになる計算です。
モリソンズの最寄り駅はどこですか?
225 George Street、グロブナー・ストリートとの角にあります。ウィンヤード駅から歩ける距離で、サーキュラーキーやロックス地区からも徒歩圏です。ジョージ・ストリートはライトレールが走る通りなので、観光の動線にそのまま組み込めます。









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