ペナン到着の初日、いちばん最初に決めないといけなかったのが「昼をどうするか」でした。空港から車で40分ちょっと。宿に荷物を預けた時点でもう正午すぎで、屋台の名店を探して炎天下を歩き回る体力は、正直もう残っていません。
そこで向かったのが、すぐ近くのショッピングモール「ガーニー・パラゴン」の2階にあるイタリアン、ルナリッチ(Lunarich Pizza & Pasta)でした。2026年7月、家族3人。結論から言うと、海外旅行の到着日のランチとして、これ以上ないくらい正解でした。

のんたん到着日のごはんは「冒険しない」が正解だと思っています。空調とトイレと、座れる椅子。この3つが揃っている時点で、着いたばかりの家族にはもう十分なんですよね。
ガーニー・パラゴンの2階、青い扉の店
モールの2階、フェスティブ・スクエアと呼ばれる一角に、濃い青の木枠のドアと赤いひさしが並んでいます。店頭には料理写真の立て看板。吹き抜けに面したテラス席もあって、モールの中なのに「通りに面した店」の雰囲気が出ています。


中に入ると、天井から下がる白熱色のランプ、レンガの壁、奥の壁一面にヨーロッパの街並みの絵。テーブルとテーブルの間隔がしっかり空いているのが、子連れにはいちばんありがたいところでした。平日の昼どきに入りましたが、店内はまだ静かで、待ち時間はゼロです。



モール内の飲食は「席の回転」を優先して詰めがちなんですが、ここは通路幅を犠牲にしていないんですよね。荷物とベビーカーが通る前提の設計になっていると思います。
メニューは「TOP 10」のページから選べばいい
渡されたメニューを開くと、見開きまるごとが「TOP 10 Signature Must Try」。マルゲリータ、ハニーガーリック、イカスミのネロ・ディ・セピア、カルボナーラ、スロークックのBBQポークリブ……全部に写真と英語の説明がついています。


写真があるから、読めなくても選べる!
メイの言うとおりで、海外で子どもが自分で決められるメニューかどうかは、家族の食事の満足度をけっこう左右します。ここは写真の面積が大きいので、小学生でも指をさして自分で選べました。
⚠️ ムスリムの同行者がいる方へ
この店はポークリブがメニューに載っていて、ビールもスタウトも置いています。つまりハラル対応の店ではありません。マレーシアはモールの中でもハラル店とそうでない店が混在しているので、同行者に配慮が必要な場合は、入口のメニューで豚肉とアルコールの有無をひと目確認するのが確実です。
セットランチは、主菜の値段のまま一皿増える
大人ふたりはセットランチにしました。仕組みはとてもシンプルで、主菜の値段はそのままに、前菜かスープが無料で付いてくるという形です。伝票でもサラダとスープは0.00と印字されていました。


こちらが前菜のグリーンガーデンサラダ。フリルレタスとルッコラにミニトマトとマンゴー、バルサミコがかかっています。ボリュームは軽めですが、暑い外から入ってきた体にはこの「冷たい葉っぱ」がとにかくありがたい。もう一人はスープ・オブ・ザ・デイを選びました。


メインはアーリオ・オーリオのラムチョップ(RM38=約1,520円)。骨付きのラムが2本、スパイスをまとってしっかり焼かれて、隣にマッシュルームとブラックオリーブ入りのパスタ、ブロッコリーが添えられています。もう一皿はフィッシュ&チップス(RM29=約1,160円)。パスタが付け合わせとして皿に載ってくるあたりが、いかにも「ピザ&パスタの店の定食」でした。



昼に来られるならセット一択、というのが分かりやすくていいんですよね。主菜の値段が動かないまま一皿増えるので、こちらが損得を計算して迷う余地がないんです。
キッズセットは、飛行機のお皿でやってきた
そしてメイのキッズセット(SET B・RM29=約1,160円)。運ばれてきたお皿を見て、この日いちばん声が出ました。


飛行機の形をしたプレートです。胴体にあたる部分にスパゲッティ・ボロネーゼ、翼にあたるくぼみに白いスパゲッティ、機首側にりんごとオレンジのスライス、尾翼側にヤクルト。この日の朝まで本物の飛行機に乗っていた子どもが、着陸した先で飛行機のお皿に当たるという偶然です。
ヤクルト、マレーシアにもあるんだ! 同じやつだ!
メイが指したのは、まぎれもなくあの赤いふたのヤクルトでした。日本の家の冷蔵庫で毎週見ているものが、6,000km近く離れた国のキッズセットに、当たり前の顔をして入っている。「日本のものが売られている」ではなく「もうこの国のふつうになっている」という感覚は、実物を前にしないと伝わらないものだと思います。



マイも「これは日本の子より嬉しそうな顔してるね」と笑っていました。海外で見つける「知ってるもの」って、大人が思っている以上に子どもの安心材料になるんですよね。
デザートのアイスと、テーブルの上のタングラム
キッズセットには最後にアイスクリームまで付いてきます。紙カップのバニラに、チョコとキャラメルのソース、その上にカラフルなスプレー。


ヤクルト、果物、アイスクリームまで込みでRM29。子ども1人分の食事としては、この構成でこの値段はかなり強いと思います。


アイスの隣に写っているのは、木製のタングラム(七巧板)。デザートを待つあいだ、メイはこれをテーブルに広げて三角と四角を並べ替えていました。大人がゆっくりコーヒーを飲める時間は、だいたいこういう小さな道具が作ってくれます。
昼からギネスを頼んでみた
旅の初日、しかも移動が終わったあとの昼。ここは正直に書きますが、頼みました。


ギネス・スタウトがRM19(約760円)、タイガーがRM17(約680円)。クリーム色の泡が沈んでいく途中のグラスを見ながら、ようやく「旅が始まった」という実感が来ました。



マレーシアは酒税が高くて、ビール1本が日本とほぼ同じ値段になります。屋台のノーザン・ビーチ・カフェでも小瓶RM17.20でしたから、店の格ではなく国の制度で決まる価格なんですよね。
会計はいくらだったか


3人でこれだけ食べて飲んで、合計はRM153.10(約6,100円)でした。内訳は以下のとおりです。
🧾 家族3人ランチの実額(伝票より)
キッズセットB スパゲッティ・ボロネーゼ(ヤクルト+オレンジ+アイス付) RM29.00
セットランチ + グリーンガーデンサラダ(0.00)+ アーリオ・オーリオ ラムチョップ RM38.00
セットランチ + 本日のスープ(0.00)+ フィッシュ&チップス RM29.00
タイガー RM17.00 / ギネス・スタウト RM19.00
小計 RM132.00 + サービス料10% RM13.20 + SST6% RM7.92
合計 RM153.10(約6,100円・端数調整含む)
ここで見ておきたいのが、メニューの表示価格に、サービス料10%とSST(売上サービス税)6%が上乗せされるという点です。単純合計で約16%増える計算になります。



予算はメニュー合計の1.16倍で見ておくと、実際の会計とほぼ一致します。屋台は上乗せがない代わりに現金のみのことが多いので、そこで選び分けるのも手だと思います。
この1.16倍の話は、メイにもそのまま伝えました。「書いてある値段と、払う値段が違う国がある」——消費税を10%で覚えている小学3年生には、けっこうな発見だったようです。伝票の数字を指でたどりながら、サービス料とSSTの行を自分で見つけていました。
ここのお店の人にもお金が入るってこと? じゃあチップはいらないの?
食後はモールを一周|ニトリとロレックスとTWG
食べたあとはそのままモールを一周しました。ガーニー・パラゴンはペナンでも上位の高級モールで、ロレックスのような時計店と、日本の「ニトリ」が同じ建物に入っています。ニトリはこのモールが北マレーシア初出店と紹介されていて、売り場の作りは日本の店舗とほとんど同じでした。
そして、この日いちばんの収穫がこちら。


シンガポール発の高級紅茶ブランドTWG Teaの売り場に出ていた特設コーナーで見つけた、「TEA TEDDIES」という紅茶味のグミです。ブルーベリーと、ラズベリー&バニラの2本。筒の窓からクマの形が見えるパッケージで、日本ではなかなか手に入りません。お土産用に、と言いながら1本は自宅用になりました。



「日本のヤクルトがマレーシアにあって、シンガポールの紅茶を日本へのお土産に買う」。到着日の2時間で、この行ったり来たりを体験できたのは面白かったです。
お腹も満たされ、両替も済ませ、暑さで溶けかけた体も冷房で復活。ここから市街へ出て、カピタン・クリン・モスクへ向かいました。到着日のモール、想像以上に「立て直しの場所」として機能します。
★総合評価
★ ルナリッチ(ガーニー・パラゴン店)総合評価
料理のクオリティ ★★★☆☆(骨付きラムチョップ2本にマッシュルームとオリーブのパスタが付くなど皿の構成はしっかりしていて、価格相応に満足できる。ただし製法・食材で名指せる差別化はなく、専門店の格ではない。旅先で「外さない」水準という意味での★3です)
コスパ ★★★★☆(セットランチは主菜の値段のまま前菜かスープが無料で付く。キッズセットはRM29でヤクルト・果物・アイスまで込み。3人+ビール2本の合計がRM153.10=約6,100円なら、モール内の店として十分お値打ちです)
子連れのしやすさ ★★★★☆(飛行機型プレートのキッズセットにデザートまで付き、写真主体のメニューで子どもが自分で選べる。テーブル間隔も広い。ただしベビーチェアや授乳室など設備面の確認はできていません)
アクセス・利便性 ★★★★☆(ガーニー・パラゴン2階で、モールの空調・トイレ・買い物が地続き。ジョージタウン中心部からGrabで10分ほど。ただし公共交通の軸はなく、基本はGrabか車前提です)
料理だけ★3にしたのは、辛口をやりたいからではありません。「ここでしか食べられない一皿」を挙げられなかったので、正直にそこへ置きました。逆に言えば、残り3軸が★4で揃うこの店は、味で勝負しに行く店ではなく、旅の段取りを助けてくれる店です。到着日・移動日・雨の日にこそ強い。
このクラスターの全体まとめはペナン3泊4日まとめ|空港到着からKLへの陸路移動まで全19記事でまとめています。あわせてどうぞ。
施設情報
【店名】Lunarich Pizza & Pasta(ルナリッチ)ガーニー・パラゴン店
【所在地】Lot 2.33, Level 2, Festive Square, Gurney Paragon Mall, Persiaran Gurney, 10250 George Town, Penang, Malaysia
【営業時間】11:00〜23:00(情報源により差があるため、訪問前に公式・モールの案内で確認してください)
【料金目安】セットランチ RM29〜38、キッズセット RM29、ビール RM17〜19。表示価格にサービス料10%+SST6%が加算されます
【ハラル】非対応(ポーク料理・アルコールの提供あり)
【アクセス】ガーニー・パラゴン・モール2階。ジョージタウン中心部からGrabで約10分。モールの駐車場あり
※営業時間・メニュー・価格は変更される場合があります。最新の情報は必ず店頭またはモールの公式案内でご確認ください。
海外の家族旅行って、着いた日がいちばん難所ですよね。眠いし暑いし、荷物もある。そこを乗り切れると、あとの日程がぐっと楽になります。メイは飛行機のお皿とヤクルトで一気に元気を取り戻して、そのまま午後の街歩きまで走り切りました。ガーニー・パラゴン周辺はホテルも多いエリアなので、到着日の宿をこの近くに取っておくと、この「立て直しランチ」がそのまま使えます。気になった方は、以下のリンクから空室状況や最新のプランも確認してみてくださいね。素敵な旅になりますように!
ルナリッチ(ガーニー・パラゴン店)よくある質問
予約は必要ですか?
平日の昼どきに入りましたが、待ち時間ゼロで席に案内されました。店内もまだ余裕がある状態です。ただし週末や夜の時間帯は状況が変わる可能性があるので、人数が多い場合はモールの案内で確認しておくと安心です。
子連れでも大丈夫ですか?
大丈夫です。キッズセット(RM29)があり、飛行機型のプレートでスパゲッティ・果物・ヤクルトが出てきて、最後にアイスクリームまで付きます。メニューは写真が大きいので、小学生なら自分で選べます。テーブルの間隔も広めです。ベビーチェアや授乳室については確認できていないので、乳児連れの方は店頭でお尋ねください。
ハラル対応の店ですか?
いいえ。メニューにポークリブがあり、ビールやスタウトも提供していますので、ハラル対応ではありません。マレーシアではモールの中でもハラル店と非ハラル店が混在しています。ムスリムの同行者がいる場合は、入口のメニューで豚肉とアルコールの有無を確認してから入るのが確実です。
会計はメニューの表示価格どおりですか?
違います。サービス料10%とSST6%が上乗せされます。わが家の場合は小計RM132.00に対して合計RM153.10でした。予算を立てるときは、メニューの合計を約1.16倍して見積もっておくと実際の会計とほぼ一致します。
到着日のランチに向いていますか?
とても向いています。空調の効いたモールの中なので、暑さと荷物から解放されます。食事のあとにトイレ・両替・買い出しが同じ建物で済むのも大きいです。屋台やホーカーの体験はぜひ味わってほしいのですが、体力が残っている日に取っておくのがおすすめです。夜の屋台の雰囲気はノーザン・ビーチ・カフェの記事でも紹介しています。








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