マレー鉄道ETSでペナンからクアラルンプールへ|予約から乗車まで全手順

バターワース駅のホームに停車するKTM ETSの先頭車両。車体にETS 212の表記

ペナン島からクアラルンプールへ、陸路で移動した記録の後編です。フェリーで海峡を渡ってバターワースに着いたら、そこからはマレー鉄道の都市間特急「ETS」でマレー半島を350kmほど南下します。

乗ったのはExpress 9109、バターワース13:05発 → KLセントラル16:40着の3時間35分。大人ひとりMYR121.50、家族3人で合計MYR305.50でした。

のんたん

正直に先に書いておくと、この日いちばん焦ったのが乗車の場面でした。新幹線の感覚で行くと本当に乗り遅れます。その理由も含めて全部書きます。

目次

ペナン→クアラルンプールは飛行機か、鉄道か

この区間の移動手段は、大きく分けて飛行機・長距離バス・鉄道の3つ。所要時間だけなら飛行機が圧勝です。それでも鉄道を選んだ理由は3つありました。

  • 街の中心から街の中心へ運んでくれる——空港への往復と保安検査が要らない
  • 荷物の重量制限がない——LCCの預け荷物課金を気にしなくていい
  • 3時間半、ずっと窓の外が変わり続ける——メイにとっては移動そのものが体験になる
ノリス

飛行機の1時間には、空港までの往復と保安検査と待ち時間が乗ってくるんですよね。ドアからドアで数えると、この区間は差がかなり縮まると思います。

予約はKTMB公式「KITS」から

チケットはマレー鉄道(KTMB)の公式予約サイトKITS(KTMB Integrated Ticketing System)で、日本にいるうちにオンライン購入しました。

KTMB公式予約サイトKITSの検索フォーム。OriginにBUTTERWORTH、DestinationにKL SENTRALを選択した状態
予約はKTMB公式のKITSから。出発地と目的地を選ぶだけ

操作はシンプルで、Origin に BUTTERWORTH、Destination に KL SENTRAL、日付と人数を入れて検索するだけ。英語のみですが、日本の乗換サイトが使えれば迷う要素はありませんでした。

KTMB予約サイトのバターワース→KLセントラル時刻表。Platinum・Gold・Expressの発着時刻と所要時間、最低運賃の一覧
同区間の列車一覧。Express-9109だけ所要3時間35分と際立って速い

検索結果を見て、この路線の設計がよく分かりました。同じETSでも列車によってグレードと所要時間が違うのです。

🚄 バターワース → KLセントラルの列車グレード

Express(エクスプレス):所要 3時間35分 — 停車駅を絞った最速タイプ

Platinum(プラチナ):所要 4時間5分 — 主要駅に停まる標準タイプ

Gold(ゴールド):所要 4時間20分 — 停車駅が多いぶん運賃は安め

わが家は最速の Express 9109(13:05発)を選択。Platinum との差は30分ですが、子連れの午後移動では大きい差でした。

KTMB予約サイトの購入内容。BUTTERWORTH→KL SENTRAL、Express-9109、大人2名と子供1名の合計MYR305.50(日付の日のみ黒塗り)
実際の購入内容。3人分の合計はMYR305.50(タカフル込み)

💰 実際に払った金額(大人2+子ども1)

◆ 大人 MYR120.00 + タカフル(保険)MYR1.50 = 1名 MYR121.50

◆ 子ども(4〜12歳)MYR61.00 + タカフル MYR1.50 = 1名 MYR62.50

合計 MYR305.50(約10,700円)

運賃は選ぶ座席によって変わります。時刻表に出るMYR112.00はその列車の最低運賃で、実際に押さえた席は大人MYR120.00でした。予約画面で座席を選ぶと金額が更新されるので、最終的にはそこに出た数字が正です。支払いは海外発行のクレジットカードでそのまま通り、RM1につき1ポイントの「Rail Rewards」も付きました。

ノリス

子どもが半額に近い設定なのが効くんですよね。家族3人だと航空券より読みやすい総額になって、直前の値上がりも起きにくいと思います。

フェリーを降りてから駅まで、歩いて約5分

フェリーターミナルの吊り案内板。タクシーは直進、Penang SentralとKTMは右を示す矢印

フェリーターミナルを出ると、この案内が頭上にあります。タクシーは直進、Penang Sentral と KTM は右。矢印どおりに進めば、迷う場面はありませんでした。

ただし「隣接」と聞いて想像するより歩きます。実感としては5分ほど。スーツケースを引いて、上りのスロープやエスカレーターも通るので、体感はもう少し長く感じました。

Penang Sentral構内のバスチケットカウンター。上部の電光表示に行き先と時刻が並ぶ

Penang Sentral の中は、鉄道だけでなく長距離バスのターミナルにもなっています。ずらりと並んだバスチケットカウンターの上に、行き先と時刻が電光で流れていました。

建物の中にはコンビニやファストフード店が入っています。飲み物と軽食は、ここで買っておくのが正解でした。というのも、乗ってみて分かったのですが車内販売は回ってきませんでした。3時間半なにも買えない前提で乗るべきです。

改札は発車5分前に閉まる|ここが最大の落とし穴

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

⚠ チケットに印字されている一文

「Pintu pelepasan ditutup 5 minit sebelum tren berlepas /
Departure gate will be closed 5 minutes before train depart

改札(ホームへの入口)は、列車の発車5分前に閉まります。

日本の新幹線は発車1分前でもホームに駆け込めます。その感覚のまま、わたしは発車の数分前に改札へ向かいました。結果、ホームへ降りる階段には、すでにロープが張られていました

事情を話して何とか通してもらえましたが、完全に冷や汗もの。マイに「言い訳のしようがないやつだね」と言われて、返す言葉がありませんでした。

パパ、走ってた!電車って待っててくれないんだね。

ぐうの音も出ません。ETSは改札を通ってからホームへ降り、そこから乗車が始まる方式で、発車直前に飛び乗ることが構造的にできないのです。

バターワース駅のホームに停車するKTM ETSの先頭車両。車体にETS 212の表記とETSのロゴ

そして、これが待っていた列車。白と赤に黄色のラインが入った流線型で、車体には「ETS Electric Train Service」のロゴと、編成番号の「ETS 212」。

のんたん

ドアの横に大きく「F」と書いてあります。これが号車。自分の号車の位置を先に確認しておかないと、ホームで端から端まで走ることになります(走りました)。

ノリス

5分前に閉めるのは、全員の着席を確認してから出すためだと思います。定時運行を守るなら、締切を前に倒すほうが確実なんですよね。

ETSの車内|座席は想像よりずっと快適でした

KTM ETSの車内。2列+2列のリクライニングシートと頭上の荷棚、天井の案内モニター

乗り込んで、まず座席にほっとしました。2列+2列のリクライニングシートで、幅にも前後にもしっかり余裕があります。3時間半座っていても腰が痛くなりませんでした。

頭上には日本の特急と同じ棚があり、大きなスーツケースは車両端の荷物置き場へ。天井には案内表示のモニターも付いています。

車内に掲示された編成図と停車駅一覧。号車C〜Fとトイレ・礼拝室・軽食の位置、TAIPINGやIPOHなどの駅名

この案内図が秀逸でした。上半分が編成図で、C・D・E・F の号車配置に加えて、TANDAS(トイレ)/TANDAS OKU(多目的トイレ)/SURAU(礼拝室)/MAKANAN(軽食)がどの位置にあるかがピクトグラムで示されています。

ただし、この図に MAKANAN(軽食)の表示があっても油断は禁物です。わが家が乗った便では、車内販売は一度も回ってきませんでした。飲食は駅で確保しておく、が正解です。

そして下半分が停車駅の一覧。TAIPING、IPOH、TANJUNG MALIM…と続き、黒い丸が終着駅、黄色が停車駅、オレンジが乗り換え駅、と色分けされています。

おいのりする部屋が電車にあるの!?日本の電車にはないよね。

メイが真っ先に指さしたのが SURAU=礼拝室でした。ペナンでモスクヒンドゥー寺院を回ってきた3日間があったので、「信仰が日常の一部としてインフラに組み込まれている」ことが、彼女の中でつながったのだと思います。

3時間35分の車窓|アブラヤシと、貨物と、古い駅

ETSの車窓から見た途中駅。奥にタンク貨車が並ぶ貨物ヤードと青空

走り出してしばらくは、途中駅と貨物ヤードが交互に現れます。マレーシアの国営石油会社(PETRONAS)のロゴが入ったタンク車が並んでいるのを見て、メイが「この電車、貨物の線路を走ってるの?」と聞いてきました。

そのとおりで、この西海岸線は旅客と貨物が同じ線路を共有している幹線です。窓の外に産業の姿がずっと見えているのが、この路線の車窓の性格でした。

やがて景色はアブラヤシのプランテーションと、遠くの石灰岩の山に変わります。日本の車窓にはない、地平線まで同じ木が並ぶ光景。正直に言うと、途中の1時間ほどは変化が少なく、メイは寝ていました。

車窓から見た旧クアラルンプール駅のホーム。白い円窓とアーチが並ぶムーア様式の駅舎

そして終点の直前、白いアーチと円窓が並ぶ古い駅のホームを、列車がゆっくり通過しました。1910年に建てられた旧クアラルンプール駅です。

KLセントラルが2001年に開業するまで、ここがクアラルンプールの鉄道の中心でした。いまも建物は使われていますが、ETSのような都市間特急は通過するだけです。

のんたん

イスラム建築のようなアーチが並ぶ、ものすごく綺麗な駅なんです。停まらないのが惜しくて、窓に張りついて見ていました。

KLセントラル到着|そのまま地下でホテルへ

KLセントラルの地下ホームに到着したETSの側面。赤とグレーの車体と行先表示

16:40、定刻どおりKLセントラルに到着。ホームは地下で、降りた瞬間に空気がひんやりしました。

KLセントラルは空港鉄道・LRT・MRT・モノレール・長距離バスが集まるマレーシア最大の交通ハブで、駅に直結・隣接するホテルも複数あります。スーツケースを引いて外に出ることなく、そのまま宿にチェックインできました。

朝は島にいたのに、船と電車だけでビルの街に着いちゃった。地図がぜんぶつながってる感じ。

この一言のために、半日かけて陸路を選んだようなものでした。島 → 海峡 → 半島の田園 → 首都のビル群が、切れ目なく1本の線でつながった半日。飛行機ではこの感覚は手に入りません。

🌏 今回のおもしろ発見(旅育)

電車の中に礼拝室があった—車内案内図のSURAUを見つけて、ペナンで見たモスクと「信仰が生活のインフラに組み込まれている」ことが自分の中でつながった

旅客列車が貨物と同じ線路を走っている—窓の外のタンク車から、この路線が「人を運ぶ線」であると同時に「国の産業を支える線」でもあることに気づいた

島から首都まで、地図が1本の線につながった—船と電車だけで移動したことで、点で覚えていた地名が線として体に入った

パパのワンポイント|ETSに乗る前に知っておきたい6つ

✅ KTM ETS 攻略メモ

改札は発車5分前に閉まります。ホームには遅くとも10分前に降りているつもりで動くこと。これが最重要

フェリー乗り場から駅までは徒歩5分ほど。荷物があると体感はもっと長い。乗り継ぎは最低30分みておくと安心

予約はKTMB公式のKITSで日本から。海外発行のクレジットカードで決済できました

速さ重視ならExpress。同じ区間でもPlatinum・Goldとは30〜45分違います

飲み物と軽食は必ず駅で買っておく車内販売は回ってきませんでした(案内図には軽食の表示があります)

号車はアルファベット(C・D・E・F…)。ホームに降りる前に自分の号車位置を確認しておくと走らずに済みます

★総合評価

★ KTM ETS(バターワース→KLセントラル)総合評価

観光・体験の満足度 ★★★★☆(島から首都まで、車窓が切れ目なく変わり続ける3時間35分。車内の礼拝室、貨物と共用の幹線、終点直前に通過する1910年築の旧クアラルンプール駅と、鉄道でしか出会えない要素が揃っている。ただし中盤はプランテーションが続き、変化の少ない区間も正直あった)

子連れのしやすさ ★★★☆☆(座席が広くリクライニングも効き、トイレ・多目的トイレ・礼拝室・軽食の位置が案内図で分かる。一方で3時間35分は途中下車ができず、車内販売も回ってこなかった。子ども向けの特別な設備があるわけでもないので、飲食を駅で確保しておけるかどうかで体感が大きく変わります)

コスパ ★★★★☆(大人MYR121.50・子ども(4〜12歳)MYR62.50で約350kmを移動。子どもがほぼ半額なので家族の総額が読みやすく、空港往復の交通費と預け荷物代が乗らないぶん、実質では飛行機と十分に戦える)

アクセス・利便性 ★★★★☆(バターワース側はフェリーターミナルから徒歩約5分、KL側は空港鉄道・LRT・MRTが集まるKLセントラル直結で、両端とも街の中心。減点は乗り継ぎに歩きが発生することと、5分前の改札締切という余裕の要る運用)

子連れのしやすさだけ★3にしました。座席は文句なしですが、3時間半という時間そのものが子どもには長いのは事実です。ここは正直に書いておきます。

逆に言えば、飲み物とおやつを駅で買い込んでおくだけで、評価はかなり変わります。用意さえすれば、快適な移動でした。

路線情報

【列車名】KTM ETS(Electric Train Service)/マレー鉄道 KTMB

【乗車区間】Butterworth(Penang Sentral 内)→ KL Sentral

【乗車した列車】Express 9109(13:05発 → 16:40着・所要3時間35分)

【グレード別の所要時間】Express 約3時間35分/Platinum 約4時間5分/Gold 約4時間20分

【運賃】大人 MYR121.50/子ども(4〜12歳)MYR62.50(いずれもタカフル込み)。運賃は選ぶ座席によって変わります(同列車の表示最低運賃はMYR112.00)

【予約】KTMB公式サイト KITS(online.ktmb.com.my)/公式アプリ。海外発行クレジットカード可

【車内設備】リクライニングシート(2+2列)、トイレ・多目的トイレ、礼拝室(SURAU)、荷物置き場、頭上の荷棚。車内案内図には軽食(MAKANAN)の表示がありますが、乗車時に車内販売は回ってきませんでした

【重要】改札(ホームへの入口)は発車5分前に閉鎖。ホームには10分前には降りておくこと

【バターワース駅へのアクセス】ペナンフェリーの本土側ターミナル(Pangkalan Sultan Abdul Halim)から徒歩約5分。Penang Sentral 内に長距離バスターミナル・コンビニ・飲食店あり

※ダイヤ・運賃・グレード構成は変更される場合があります。最新情報は必ずKTMB公式サイトでご確認ください。

FIFAワールドカップ2026 全104試合ライブ配信はDAZNだけ
一休.com 全国旅行支援 宿泊料金20%OFF
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次