最終更新:2026年8月
旅行の予定に「大学」と書くと、たいてい家族から微妙な顔をされます。しかも目的が学食だと言えばなおさらです。
2026年8月、家族3人でのシドニー旅行。2日目の昼にシドニー大学のキャンパスを歩いていて、ちょうどお腹が空いた時間にたどり着いたのが、ウェントワース棟(Wentworth Building)のフードコートでした。

結論から言うと、ここは観光客が普通に入れて、しかもシドニーの外食としては驚くほど気楽な場所でした。海外の大学のキャンパスに入るのって少し勇気がいりますが、案内看板が「Food court this way(フードコートはこちら)」と矢印で示してくれています。
のんたん観光地のレストランで身構えて注文するより、学食で好きなものを指差して選ぶほうが、家族旅行のお昼には向いていました!
ウェントワース棟のフードコートはキャンパスのどこにある?
場所はシドニー大学キャンパスの南側、ウェントワース棟(Wentworth Building)です。歴史的な砂岩の校舎が並ぶクアドラングル側から南へ歩くと、打ちっぱなしコンクリートの現代建築が並ぶエリアに変わり、その一角にあります。


芝生を挟んだ向かいには「HERMANN’S BAR」の文字。学生たちが芝生に座ったり、ベンチでお昼を食べたりしていて、大学のキャンパスというより公園のような空気でした。
入口の看板には、はっきりと大学の学生組織の名前が出ています。USU(University of Sydney Union=シドニー大学ユニオン)が運営するフードハブで、看板の下にはこんな案内も貼ってありました。
- USU Rewards の会員なら、USU直営の店で最大20%オフ
- 参加している直営以外の店でも10%オフ
もちろん旅行者の私たちは会員ではないので通常価格ですが、キャンパスの飲食店に「会員価格」と「通常価格」の2段構えが徹底されていることは、あとで値札を見て何度も実感することになります。



会員だと1食ぶんが毎日少しずつ浮くって、学生には効くんですよね。値引きそのものより、毎日通う理由をつくっているのが上手いと思います。
多国籍の顔ぶれ|ケバブ、中華、バーガー、ホットドッグ
中に入ると、寄木張りの床に囲まれた広いホールに、専門店が並んでいます。ケバブ、中華、ハンバーガー、ホットドッグ、ヌードル。どの店もカウンター越しに調理が見えるタイプで、日本のショッピングモールのフードコートとよく似た造りでした。


ひときわ賑わっていたのがケバブの「UNI BROS(Uni Brothers Kebab)」。CHICKEN・BURGERS・WRAPS と看板に出ていて、頭上のメニューモニターには COMBOS-5(ラップ+チップス+缶ドリンク)/COMBOS-6(ホットドッグ)/COMBOS-7(ナゲット6個+チップス+缶ドリンク) といったセットが並びます。


面白いのは、カウンターのガラスに手書きのピンクの文字がびっしり書かれていること。「RICE & PASTA」「MIX’N MATCH」「Butter Chicken」「Noodles」「Fettuccine」。既製のメニュー看板の上に、その日その日の手書きが重なっていて、いかにも学食らしい熱量です。
ショーケースには「FRESH MADE」と書かれた薄焼きパンが積まれていて、具は Beef Spinach Cheese、Spinach Mushroom Cheese、Spicy Potato Spinach。トルコのギョズレメに近い、鉄板で押し焼きにするタイプです。
その隣が「Little Asia」。筆記体の白いネオンサインが目印で、こちらは中華・アジア系のごはんもの・麺ものを出す店です。


注文したもの|押し焼きのパニーニと、ライスの上の唐揚げ
我が家が選んだのは2品。ひとつは、鉄板でこんがり焼き目をつけたパニーニです。紙に包まれて出てきて、そのままかじりつけます。


もうひとつが、Little Asia のごはんプレート。ショーケースに並んだ十数種類のおかずから好きなものを指差して、白ごはんの上に載せてもらう方式です。


ケースの中は、蒸し野菜、手羽の甘辛煮、カレー、マーボー豆腐、酢豚らしき炒め物と、ラベルに中国語が併記された惣菜がずらり。英語が苦手でも指を差すだけで注文が完結するので、子連れにはとにかく楽でした。
選んだのは、鶏の唐揚げと、玉ねぎと一緒に炒めた肉。ごはんの上に山盛りで載って出てきます。


唐揚げは甘辛いタレがしっかり絡んでいて、日本の中華料理店で食べる油淋鶏に近い味。長時間歩いたあとの体には、この塩気とごはんの組み合わせがちょうどよかったです。奇をてらったところはない、素直においしい一皿でした。
からあげ、日本のとちょっと味がちがう! でもごはんの上に載ってるのはうれしい
ショーケースの上には値札が下がっていて、上段が19.00豪ドル、下段が赤地に17.20豪ドル。約1割の差がある2段価格でした。豪ドルは1豪ドル=約100円換算(2026年8月時点)なので、だいたい1,900円と1,720円ということになります。
「学食なのに1,900円?」と思われるかもしれません。ただこれは、シドニーの物価のほうを基準に見る必要があります。この日、キャンパスへ向かう道すがらに見た日本料理店では、ラーメンが22〜24豪ドル(約2,200〜2,400円)。街のカフェでボトルの水が5豪ドル台という土地で、ボリュームのある一皿がこの価格に収まっているのは、むしろ健闘しているほうです。



フードコートって、厨房と客席を共有するぶん一店あたりの固定費が軽いんですよね。だから小さい専門店が入りやすくて、結果として選択肢の幅そのものが売りになるんだと思います。
学生に混ざって食べる、という体験
お昼どきのフードコートは、当然ながらほとんどが学生です。ノートパソコンを広げている人、大きな声で笑っているグループ、ひとりで黙々と食べている人。聞こえてくる言葉も英語だけではなく、中国語も、そして日本語も混ざっていました。
小学3年生のメイは、周りをきょろきょろ見ながらこう言いました。
日本語がきこえた! ここで勉強してる日本の人がいるんだ
「留学」という言葉は知っていても、それが「自分と同じ言葉を話す人が、遠い国のこの食堂でお昼を食べている」という具体的な光景に変わった瞬間でした。観光名所を回るだけでは、なかなかこうはなりません。
大学のキャンパスは、その国の若い人たちの日常がそのまま置いてある場所です。ごはんを食べる、しゃべる、寝転がる。子どもにとっては、教科書の「海外の大学」がいちばん短い距離で実物になる場所だと思います。
子連れで学食を使うときの実用メモ
- 平日に行く:Little Asia は月〜金 9:00〜17:00、Uni Brothers Kebab は平日 7:00〜19:00 が公式の営業時間です。週末は営業する店が限られます
- ピークを外す:正午前後は学生でかなり混みます。席の確保が読めないので、11時台か13時半以降にずらすと落ち着いて座れました
- 指差しで注文できる店を選ぶ:ショーケース方式のごはんものは、英語に自信がなくても選ぶだけで完結します
- カード決済が前提:オーストラリアはカード社会で、カード決済に数%の手数料が乗る店もあります。現金だけで動くつもりなら注意が必要です
今回の食育・旅育まとめ
- 「留学」が光景になった:フードコートで日本語が聞こえたことで、メイの中の「留学」が言葉から実物に変わりました。同じ言葉を話す人が、この食堂で毎日お昼を食べている——その距離感は現地でしか手に入りません
- 値段は「その土地の相場」で見る:一皿19豪ドルを高いと感じたあとに、道中のラーメンが22〜24豪ドルだったことを思い出す。円に直すだけでなく、同じ街の他の価格と並べて考える練習になりました
- 言葉が通じなくても注文はできる:ショーケースを指差して自分の一皿を組み立てる。「英語ができないから無理」ではなく「やり方を選べばいい」と体で分かった昼でした
★ シドニー大学フードコートの総合評価
★ 総合評価(家族3人・2026年8月訪問)
料理のクオリティ ★★★☆☆(唐揚げは甘辛いタレがしっかり絡んで、油淋鶏に近い素直なおいしさ。押し焼きのパニーニも熱々でした。ただ、どちらも「学食のおいしさ」の範囲で、製法や食材で語れる差別化を見つけられたわけではありません。正直に普通と書きます)
コスパ ★★★★☆(ボリュームのある一皿が17〜19豪ドル台。同じ日にキャンパス周辺で見た日本料理店のラーメンが22〜24豪ドルだったことを思うと、シドニーの外食としては明確に軽い部類です。学生証があればさらに1割前後下がります)
子連れのしやすさ ★★★☆☆(席は自由に選べて、ショーケースを指差せば注文が済むので子連れでもまったく困りません。ただしキッズメニューやベビーチェアといった子ども向けの設備は見当たらず、昼のピークは学生で相当混みます。連れて行けるが特別な配慮はない、という水準です)
アクセス・利便性 ★★★★☆(レッドファーン駅から徒歩10分ほど、パラマタ・ロードのバス停からも歩けます。キャンパス内は案内看板が整っていて迷いません。訪問者向けの駐車場は前提にできず、公共交通が基本です)
このクラスターの全体まとめはシドニー大学 観光ガイド|家族で歩いた無料キャンパスの2時間半でまとめています。あわせてどうぞ。
施設情報
【施設名】ウェントワース棟 フードコート(Wentworth Building Food Court/The University of Sydney Union)
【所在地】Wentworth Building, Butlin Avenue, Darlington NSW 2008, Australia(シドニー大学 キャンパーダウン/ダーリントン・キャンパス内)
【営業時間・定休日】店舗ごとに異なる。Little Asia(ウェントワース棟 Level 2)月〜金 9:00〜17:00/Uni Brothers Kebab 平日 7:00〜19:00。週末・大学の休業期間は営業する店が限られます
【料金目安】ごはんもの・ラップ類で1皿17〜19豪ドル前後(1豪ドル=約100円換算、2026年8月時点)。USU Rewards 会員はUSU直営店で最大20%オフ、参加店で10%オフ
※最新の営業状況等は、必ず公式HPをご確認ください。
海外の家族旅行って、朝から晩まで「今日のお昼どうする?」がずっと頭の片隅にありますよね。値段も、子どもが食べられるかも、席が空いているかも、全部が読めない。でもその不安ごと歩き回った日ほど、あとから濃く残ります。メイも「日本語がきこえた!」と目を丸くしたあの昼のことを、まだ話に出してきます。我が家は、宿はいいところをできるだけコスパ良く押さえて、そのうえで現地の食事や体験にはしっかり飛び込む、という組み立てが好きです。都市部の旅なら、大学のキャンパスをお昼の候補に1つ入れておくと、財布にも子どもの機嫌にも余裕が生まれますよ。素敵な旅になりますように!
シドニー大学のフードコートのよくある質問
観光客でもシドニー大学のフードコートを利用できますか?
利用できます。シドニー大学のキャンパスは一般に開かれていて、ウェントワース棟のフードコートにも「Food court this way」の案内看板が出ています。我が家も家族3人で普通に利用しました。学生証がないと USU Rewards の会員価格は使えませんが、通常価格で誰でも注文できます。
どんな料理がありますか?子どもでも食べられるものはありますか?
ケバブ・ラップ、ハンバーガー、ホットドッグ、ナゲット、中華のごはんもの、麺類など多国籍の専門店が並んでいます。子どもにはナゲットやチップスのセット、白ごはんに好きなおかずを載せるプレートが選びやすいです。我が家の娘(小学3年生)は鶏の唐揚げのプレートを一緒に食べました。
予算はどれくらいですか?
ごはんものやラップで1皿17〜19豪ドル前後(約1,700〜1,900円)が目安です。シドニー市内のレストランでラーメンが22〜24豪ドルすることを思えば、外食としては軽いほうです。USU Rewards の会員なら、USU直営店で最大20%オフ、参加している他店でも10%オフになります。
週末も営業していますか?
店舗によります。Little Asia は月〜金 9:00〜17:00、Uni Brothers Kebab は平日 7:00〜19:00 が公式の営業時間で、いずれも平日中心です。学生が主なお客さんなので、週末や大学の休業期間は営業する店がかなり限られます。学食を目当てにするなら平日の訪問がおすすめです。
混雑する時間帯はいつですか?
正午前後の昼休みがもっとも混みます。我が家は12時台の後半に入りましたが、席は空いていたものの人の流れは途切れませんでした。子連れでゆっくり座りたいなら、11時台か13時半以降にずらすのが確実です。









コメント