シドニー ワトソンズベイ半日|無料の絶景とドイルズ33.7豪ドルの実額

シドニー湾の東の端に、ワトソンズベイという小さな港町があります。サーキュラーキーからフェリーで20分ちょっと。降りた瞬間に空気が変わって、ここが同じ街だとは思えませんでした。

ワトソンズベイのフェリー桟橋の建屋。緑の屋根と Watsons Bay の表示

2026年7月、ひとりでここに来ました。目当てはフィッシュ&チップスだったんですが、結果的にいちばん心に残ったのは、錆びついた巨大な錨と、湾と外海が背中合わせになっている、この土地の地形そのものでした。

のんたん

「ご飯を食べに行くだけ」のつもりだったのに、着いてみたら1時間半まるごと使ってしまいました。ここ、想像よりずっと濃いです!

目次

船を降りたら、もう全部が徒歩圏でした

フェリーが近づくと、松林と砂浜、その奥に白い建物が見えてきます。ヨットがびっしり浮かぶ湾に、ゆっくり船が滑り込んでいく感じでした。

フェリーの手すり越しに見るワトソンズベイの入り江。松林と桟橋、係留されたボート
ローズベイ付近の湾。無数のヨットが係留され、対岸の斜面に家々が並ぶ
湾の対岸に広がる高級住宅地の街並みと青い水面

ワトソンズベイのいいところは、桟橋を降りた半径300mくらいに、見どころが全部詰まっていることです。公園、ビーチ、崖、フィッシュ&チップス。地図を見なくても歩けます。

ワトソンズベイの丘の斜面。松林と白い建物、赤い屋根のホテルが並ぶ

桟橋のすぐ横にあるのが、ドイルズのテイクアウト。そして少し歩くとロバートソン・パークの芝生。反対側に抜けると、いきなり断崖絶壁です。この密度は反則だと思いました。

ワトソンズベイの湾側の砂浜。波がほとんどなく、ボートが波打ち際に上がっている

湾側の砂浜はこんな感じで、波はほとんどありません。ボートが波打ち際まで乗り上げていて、水の色が浅いところで澄んで見えました。

ロバートソン・パークの青い公園標識と、その奥に広がる芝生と大木

ロバートソン・パークは、NSW州の首相を5回務めたジョン・ロバートソンにちなんだ公園です。背の高いノーフォーク松が並んでいて、木陰のベンチがたくさんありました。この芝生が後で効いてきます。

ロバートソン・パークの芝生と背の高いノーフォーク松の並木

ザ・ギャップ——湾のすぐ裏が、いきなり外海の断崖

公園を突っ切って数分歩くと、視界がひらけます。ここがザ・ギャップです。

ザ・ギャップの断崖。褐色の岩壁が垂直に落ち、外洋の波が白く砕ける

さっきまでヨットがのんびり浮かぶ穏やかな湾を見ていたのに、丘ひとつ越えただけで、目の前が太平洋の断崖です。岩に波が砕けて、白い泡が立ち上がっていました。

逆光のザ・ギャップ。岩の岬と、外洋から寄せる波

この落差が、ワトソンズベイのいちばんの面白さだと思います。同じ町の中で、内側と外側で水の性格がまったく違う。波の荒さがはっきり違うのが、歩いて数分の距離で見比べられます。

ザ・ギャップから望む太平洋。水平線と、湾の入口を守る対岸の岬
ザ・ギャップの崖の上から見下ろす外洋。岩棚に波が打ち寄せる

そして反対を向けば、湾の向こうにシドニーの市街とハーバーブリッジ。同じ場所で振り返るだけで、外海と大都会が両方見えます。

ワトソンズベイから湾越しに望むシドニー市街のスカイラインとハーバーブリッジ、ヨットの帆

ダンバー号の錨——1857年、122人のうち助かったのは1人だけ

崖沿いの道を歩いていると、岩壁にこれが据えられています。

ザ・ギャップの岩壁に据えられた、1857年に難破したダンバー号の錆びた巨大な錨

錆びて赤茶けた、巨大な錨です。これはオブジェではありません。1857年にこの真下で難破した帆船ダンバー号の、本物の錨です。

ダンバー号は嵐の夜、シドニー湾の入口を探していて、このザ・ギャップの切れ目を湾の入口だと見間違えました。船は崖に叩きつけられ、乗っていた122人のうち、助かったのはたった1人。その唯一の生存者ジェームズ・ジョンソンは、後に完成した灯台の初代守になったと伝わります。錨は1910年に引き揚げられ、1930年からここに置かれています。

さっき「湾と外海が背中合わせだ」と面白がって眺めていた地形が、そのまま事故の理由でした。暗闇と嵐の中で、この切れ目は湾の入口に見えたはずです。

船から見た砂浜と緑の岬。穏やかな湾に小型ボートが浮かぶ
ノリス

景色として面白がっていた地形が、そのまま人が死んだ理由だった。観光地の看板って、こういう反転を一行で持ってくるから怖いんですよね。

ドイルズのフィッシュ&チップス——テイクアウトが正解でした

お腹が空いたので、桟橋のドイルズへ戻ります。ワトソンズベイのドイルズはいくつか顔があって、レストラン、フィッシュ&チッパリー、そして桟橋のテイクアウトがあります。

FISH & CHIPPERY の白と緑の建物。ICE CREAM の看板と植栽
FISH & CHIPPERY の店先。Corona & Ice Cream の表示と観葉植物

こちらはビーチ側のキオスクのメニュー。ワトソンズ・フィッシュ&チップスが35豪ドル、生牡蠣が1個6.5豪ドル、フライドカラマリが27豪ドルといった値付けでした。座って食べたい人はこちらです。

ドイルズのキオスクのTAKE Awayメニュー。Watsons Fish & Chips 35豪ドルなど価格が並ぶ

僕が選んだのは桟橋のテイクアウト(Doyles on the Wharf)です。理由は単純で、公園のベンチで海を見ながら食べたかったから。

Doyles Fishermans Wharf の青いテイクアウト店舗。アイスクリームの看板が出ている

メニューは頭上のボードに出ています。コールドバーの生牡蠣や海老、グリルの魚、そして日替わりのスペシャル。

Doyles on the Wharf のメニューボード。From the Cold Bar と Today's Specials の価格表
Doyles on the Wharf のメニューボード。From the Grill と Today's Specials

頼んだのはコンボパックとビール。ここで感心したのがオーダーの窓口と受け渡しの窓口が分かれていることでした。並ぶ列がぶつからないので、10分も待たずに受け取れます。テイクアウトに完全に慣れている店の作りでした。

ノリス

注文と受け取りの窓口を割るだけで、待つ人と帰る人の動線が交差しなくなる。行列が伸びても回転が落ちない作りなんですよね。よく効いています。

ビールはオーストラリアのクーパーズ。オリジナル・ペールエールです。

ドイルズの冷蔵ケースに並ぶオーストラリアのビールとワインのボトル

そして、これがロバートソン・パークのベンチで開けた瞬間です。

ロバートソン・パークのベンチに広げたドイルズのコンボパック。フィッシュフライ、イカリング、ポテトとクーパーズの瓶、奥に湾とテイクアウト店

コンボパックの中身は、ふわふわのフィッシュフライが2枚、柔らかめのイカリング、そしてポテト。レモンとタルタルが付いてきます。フィッシュフライが2枚入っているのでボリュームは満点で、正直ひとりだと持て余すくらいでした。そんなに量を食べない家族なら、これをシェアしても十分足りると思います。

クーパーズとの相性が最高で、目の前は湾とヨットと市街のスカイライン。ランチとして、これ以上は望めない場所でした。

ワトソンズベイの砂浜に置かれたクーパーズ・ペールエールの瓶と、対岸のシドニー市街
海鳥にご注意

外で食べていると、おこぼれを狙った海鳥がどんどん寄ってきます。これが想像以上に大変でした。箱を開けっぱなしにせず、片手で守りながら食べるくらいでちょうどいいです。

会計は2品で33.7豪ドル

レシートが残っていたので載せておきます。

ドイルズ・オン・ザ・ワーフのテイクアウト会計レシート。ビールとコンボパックの2品で33.7豪ドル(日付・時刻のみ黒塗り)
ビールとコンボパックで33.7豪ドル。ロゴの下に「EST 1885」とあります

ビールとコンボパックの2品で33.7豪ドル、日本円でおよそ3,900円(1豪ドル≒115円換算)。GSTが3豪ドルほど含まれ、カード払いの手数料が少し乗っています。シドニーの物価を考えると、この内容でこの金額なら納得でした。

レシートのロゴの下に「EST 1885」と入っているのに気づきました。ドイルズはこの湾で140年やっている店だということです。

フェリーの時間に合わせた、ちょうどいい過ごし方

ワトソンズベイ行きのフェリーは30分間隔です。この「30分おき」が、実はこの町の歩き方を決めます。

僕のおすすめは、帰りの便の少し前に桟橋まで戻ってきて、近くのベンチで食べるという順番です。ザ・ギャップを先に見て、最後にドイルズ。そうすると食べ終わってすぐ乗れるし、乗り遅れても次まで30分あるので慌てずに済みます。

ワトソンズベイの桟橋に着岸したシドニー・フェリー「BUNGAREE」の緑の船体

滞在は1時間半ほどでしたが、これで十分楽しめました。フェリーの往復を含めても、午前中や午後の半日にきれいに収まります。

湾の対岸の岬。木立の中に細いマストが立っているのが見える
ワトソンズベイの歩き方
  • 順番は「ザ・ギャップ → ドイルズ」。食べてから崖に登ると、フェリーの時間に追われます
  • テイクアウトは注文窓口と受け渡し窓口が別。10分も待ちません
  • コンボパックはフィッシュフライ2枚入りでかなりの量。少食なら2人でシェアできます
  • 食べる場所はロバートソン・パークのベンチが正解。ただし海鳥対策は必須
  • フェリーは30分間隔。滞在1時間半でちょうどいいサイズです

★ ワトソンズベイの総合評価

★ 総合評価(ひとり利用・2026年7月訪問)

観光・体験の満足度 ★★★★☆(穏やかな湾と太平洋の断崖が徒歩数分で背中合わせになっていて、波の荒さの違いを自分の目で見比べられます。1857年にダンバー号が難破した現場に、引き揚げられた本物の錨が据えられているのも効きます。ただ体験としては「歩いて見る」に収まる範囲です)
ひとり・出張での使いやすさ ★★★★☆(テイクアウトなので席を確保する必要がなく、ひとりでも気を使いません。注文と受け渡しの窓口が分かれていて待ち時間も短いです。一方でコンボパックはひとりには多すぎました)
コスパ ★★★★★(ザ・ギャップもダンバー号の錨もロバートソン・パークもすべて無料。有料なのは食事だけで、そのコンボパックも2人でシェアできる量です。フェリー代を払えば、あとは食べる分しかかかりません)
アクセス・利便性 ★★★★☆(サーキュラーキーからフェリー1本、桟橋を降りれば見どころは全部徒歩圏です。ただし便は30分間隔なので、帰りの時間だけは意識して動く必要があります)

📖 シドニーのフェリーの乗り方・運賃の完全ガイドはこちら

このクラスターの全体まとめはシドニー フェリー完全ガイド|1日9.65豪ドルで乗り放題の絶景ホッピング術でまとめています。あわせてどうぞ。

施設情報

【施設名】ワトソンズベイ(ザ・ギャップ/ダンバー号の錨/ロバートソン・パーク/Doyles on the Wharf)
【所在地】Watsons Bay NSW 2030, Australia
【営業時間・定休日】ザ・ギャップ、ロバートソン・パークは常時開放/ドイルズの営業時間は公式HPを参照
【料金目安】ザ・ギャップ・公園・錨はすべて無料。Doyles on the Wharf はビール+コンボパックで33.7豪ドル(2026年7月時点)
【アクセス】サーキュラーキーからフェリーF9でワトソンズベイへ(ローズベイ経由、約23分)。桟橋から各所へ徒歩
【公式HP】Doyles(https://www.doyles.com.au/)
※メニューと価格は変わります。最新の営業状況等は、必ず公式HPをご確認ください。

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