シドニーで「移動手段」だと思って乗ると、たぶん一番もったいないのがフェリーです。
2026年7月、ひとりでシドニーに行ったとき、午前中をまるごとフェリーに使いました。サーキュラーキーを起点に、タロンガへ渡って、戻って、コーヒーを1杯飲んで、ワトソンズベイへ。これが観光の「移動」ではなく、それ自体が観光でした。
この記事では、その午前中の動き方と、乗る前に知っておくと得すること——運賃の上限、乗り場が変わる話、乗り継ぎ時間の潰し方——をまとめます。
のんたん船から見るオペラハウスが、本当に良かったんです!陸から見るのとは別物でした。しかもこれ、観光クルーズじゃなくて普通の路線フェリーです。
この日のフェリーホッピング(午前だけで完結します)
| 行程 | 内容 |
|---|---|
| サーキュラーキー | 乗り場を確認。この日はWharf 4が工事で閉鎖されていました |
| ↓ F2で約12分 | 船の上からオペラハウス、ハーバーブリッジ、フォート・デニソン |
| タロンガ動物園ワーフ | 動物園に入らず、無料の遊歩道でブラッドリーズヘッドへ(約1時間) |
| ↓ F2で戻る | 帰りの船からもう一度オペラハウス |
| サーキュラーキー | 乗り継ぎ待ちにCity Extraのテラスでフラットホワイト |
| ↓ F9でローズベイ経由 約23分 | 湾の東側の景色に変わる |
| ワトソンズベイ | ザ・ギャップの断崖とドイルズのフィッシュ&チップス(約1時間半) |
これで午前中がきれいに埋まります。船に乗っている時間が合計1時間ちょっと、そのすべてが景色でした。
まず運賃の話——金・土・日・祝は乗り放題みたいなものです
ここが一番お伝えしたいところです。シドニーのフェリーには1日の運賃上限(デイリーキャップ)があります。
Opalの運賃と1日上限(大人・2026年7月時点)
▼ フェリー1回あたり
0〜9km … 7.35豪ドル(約850円)
9km超 … 9.20豪ドル(約1,060円)
▼ 1日の上限(電車・メトロ・バス・フェリー・ライトレール共通)
月〜木 … 19.30豪ドル
金・土・日・祝 … 9.65豪ドル
1週間の上限 … 50豪ドル
この日は4回乗りました。単純計算だと29〜33豪ドルほどになりますが、上限に当たればそこで頭打ちです。フェリーホッピングは金・土・日・祝にやるのが圧倒的に得という結論になります。



1回7.35豪ドルの乗り物に上限9.65豪ドルを載せると、2回目からが実質タダになるんですよね。「たくさん乗るほど得」ではなく「たくさん乗らないと損」の設計です。
もうひとつ、勘違いしやすいので書いておきます。オフピークの30%割引は電車・メトロ・バス・ライトレールが対象で、フェリーには適用されません。フェリーで効くのはこの日額・週額の上限の方です。
支払いはタッチで終わります
Opalカードを買わなくても、日本のクレジットカードやスマホをそのまま改札にタッチすれば乗れます。上限の計算も同じように効きます。大人ならこれがいちばん手軽だと思います。降りるときのタッチオフを忘れないでください。
乗り場は変わります——この日はWharf 4が閉鎖でした
サーキュラーキーは、Wharf 2からWharf 6まで乗り場が並んでいます。行き先ごとに乗り場が決まっているので、事前に調べて「タロンガはWharf 4」と覚えて行きました。


ところが、着いてみたらこうなっていました。


「Circular Quay Wharf 4 closure」。保守工事のため一時閉鎖という告知です。マンリー・ファストフェリーはWharf 6から、その他の便は案内表示とアナウンスを確認してください、と書かれています。
で、実際のタロンガ行きはどこに行ったかというと、こんな貼り紙で案内されていました。


オレンジのバリケードに、紙に印刷した「TARONGA ZOO WHARF 2」。手作り感がすごいですが、これが正解です。





ガイドブックとネットで調べた乗り場が、現地では違っていました。焦りましたが、案内表示を見れば分かるようになっているので大丈夫です!
- ネットで調べた乗り場を鵜呑みにせず、必ず現地の電光掲示(indicator screen)で確認する
- 時刻表は乗り口に掲示されている。案内板を必ずチェックする
- 工事は珍しくない。臨時の貼り紙が出ていることがあるので、バリケードも見る
- 時間帯によっては行列で次の便に回されることもある。余裕を持って桟橋へ
乗ってしまえば、あとはずっと絶景です
船に乗り込みます。タラップを渡って中へ。




階段を上がると上のデッキです。「MAX PASSENGERS ON UPPER DECK 188」と書いてありました。迷わず上に行くことをおすすめします。


出航すると、まずハーバーブリッジが見えてきます。




そして、これです。


朝日を背負ったオペラハウスの逆光。水面が光って、シルエットになった帆が浮かび上がります。


船が進むと角度が変わって、帆が一枚ずつ開いていくように見えてきます。オペラハウスは海側から見るために設計された建物なんだと、乗って初めて腑に落ちました。陸から見ると、どうしても正面からしか見られません。



あの建物、海に向かって突き出た岬の先端に建っています。つまり一番いい席は最初から水の上にあるんですよね。路線フェリーの運賃でそこに座れてしまう。


振り返るとハーバーブリッジが遠ざかっていきます。白い航跡が伸びて、これはこれで良い眺めでした。
途中に浮かぶ小さな要塞——フォート・デニソン
タロンガへ向かう途中、湾の真ん中にぽつんと島が現れます。


フォート・デニソンです。石造りの円い塔が載っていて、明らかに要塞の形をしています。上陸はしていませんが、船が近くを通るので、路線フェリーからしっかり見えます。


この島の向こうにシドニーの高層ビルが並んでいて、時代がひとつの画面に同居している感じがしました。


乗り継ぎの30分が、じつは一番の贅沢でした
タロンガから戻ってきて、ワトソンズベイ行きまで少し時間がありました。ここで手持ち無沙汰になるかと思ったんですが、逆でした。


サーキュラーキーには、フェリー乗り場に面してカフェやレストランが並んでいます。僕が入ったのはCity Extra。24時間営業で、テラス席が港に向いています。




メニューはかなりの厚みでした。ドリンクのページを見ると、フラットホワイトがレギュラー6豪ドル、ラージ8豪ドル。


頼んだのはフラットホワイト。オーストラリアに来たら、やっぱりこれです。


そして外のテラス席へ。


目の前をフェリーが出入りして、その向こうにハーバーブリッジ。乗り継ぎ待ちという「余った時間」が、この街だと一番いい時間になります。次の船が来るまで座っているだけなのに、なぜかとても贅沢でした。



正直、この30分がこの日いちばん記憶に残っています。急いで次に行かなくてよかった。ひとり旅の醍醐味ですね!
ワトソンズベイへ——湾の東側は景色が変わります
次はF9でワトソンズベイへ。乗り口に時刻表が掲示されています。


ローズベイを経由して、サーキュラーキーからワトソンズベイまでは20分ちょっと。便はおよそ30分間隔なので、帰りの時間だけは頭に入れて動くのがおすすめです。
この便でもオペラハウスの横を通ります。同じ建物なのに、時間帯と角度が変わるだけで表情がまるで違いました。




湾の東側に入ると、景色ががらっと変わります。ヨットが並ぶ入り江、斜面にびっしり建つ家。同じシドニー湾とは思えませんでした。


2つの行き先——どちらもフェリーで完結します
この日フェリーで渡った2か所は、それぞれ別に記事にしました。
▶ あわせて読みたい:タロンガ動物園に入らない絶景散策——動物園のある岬はまるごと国立公園で、入園料なしで歩けます。1914年の海戦を伝える本物のマストが立っていました。
▶ あわせて読みたい:ワトソンズベイの歩き方——穏やかな湾の裏がいきなり太平洋の断崖。1857年に難破したダンバー号の錨と、ドイルズのフィッシュ&チップスです。
- 金・土・日・祝にやる。1日上限9.65豪ドルなので、2回目からが実質無料になります
- 乗り場は現地の電光掲示で確認する。工事で変わっていることがあります
- 上のデッキに上がる。景色がまったく違います
- 乗り継ぎ待ちは埋めようとしない。港に面したテラスでコーヒーを飲む時間にする
- 支払いは日本のクレジットカードをそのままタッチでOK。降車時のタッチオフを忘れずに
★ シドニー・フェリーの総合評価
★ 総合評価(ひとり利用・2026年7月)
観光・体験の満足度 ★★★★☆(路線フェリーの運賃で、オペラハウスを海側から、しかも角度が変わり続ける状態で眺められます。フォート・デニソンの横も通ります。ただし解説があるわけではないので、体験としては観光クルーズには及びません)
ひとり・出張での使いやすさ ★★★★☆(予約不要、タッチで乗れて、上のデッキなら席も選べます。ひとりでも浮きません。一方で乗り場が工事で変わることがあり、初見だと戸惑います)
コスパ ★★★★★(金・土・日・祝は1日9.65豪ドルで上限。4回乗れば単純計算29〜33豪ドル相当が頭打ちになり、観光クルーズの数分の一で同じ海に出られます)
アクセス・利便性 ★★★★★(サーキュラーキーは電車・メトロ・バス・ライトレール・フェリーが集まる結節点で、CBDから徒歩圏。ここに立てば主要な行き先へ船が出ています)
このクラスターの全体まとめはシドニーソロ旅まとめ|ANA修行×お得ビジネスで巡る世界遺産1泊2日でまとめています。あわせてどうぞ。
施設情報
【施設名】サーキュラーキー フェリーターミナル(Sydney Ferries)
【所在地】Circular Quay, Sydney NSW 2000, Australia
【営業時間・定休日】路線により異なる(F2タロンガ動物園、F9ワトソンズベイほか)。時刻は公式のトリッププランナーを参照
【料金目安】フェリー 0〜9km 7.35豪ドル/9km超 9.20豪ドル。1日上限 月〜木19.30豪ドル・金土日祝9.65豪ドル・週50豪ドル(大人・2026年7月時点)
【支払い】Opalカードのほか、クレジットカード・スマホのタッチ決済に対応
【公式HP】Transport for NSW(transportnsw.info)
※運賃・時刻・乗り場は変更されます。乗り場は工事等で臨時に変わることがあるため、最新情報は必ず公式HPと現地の案内表示をご確認ください。
海外で公共交通に乗るのって、最初はちょっと緊張しますよね。乗り場が合っているのか、どこで降りるのか、ずっと気にしてしまいます。でもシドニーのフェリーは、タッチして乗って、上のデッキに座るだけです。それだけで、有料の観光クルーズとほとんど同じ海に出られます。ひとりでも、家族連れでも、たぶんこの街で一番安い贅沢だと思います。乗り場は工事で変わることがあるので、気になった方は下のリンクから最新の乗り場と時刻を確認してみてくださいね。良い船旅になりますように!
シドニーのフェリーのよくある質問
シドニーのフェリー運賃はいくらですか?
大人は0〜9kmが7.35豪ドル、9km超が9.20豪ドルです(2026年7月時点)。加えて1日の上限があり、月〜木は19.30豪ドル、金・土・日・祝は9.65豪ドル、1週間の上限は50豪ドルです。フェリーにはオフピークの30%割引は適用されません(対象は電車・メトロ・バス・ライトレール)。
Opalカードは買った方がいいですか?
大人であれば、日本のクレジットカードやスマホをそのまま改札にタッチする方法が手軽です。1日・1週間の上限も同じように適用されます。降りるときのタッチオフを忘れないでください。
サーキュラーキーの乗り場はどこですか?
行き先ごとにWharf 2〜6に分かれています。ただし工事で臨時に変わることがあり、僕が行ったときはWharf 4が保守工事で閉鎖され、タロンガ行きはWharf 2から出ていました。事前に調べた番号を鵜呑みにせず、現地の電光掲示とアナウンスで必ず確認してください。
タロンガとワトソンズベイは1日で両方行けますか?
行けます。僕は午前中だけで両方回りました。タロンガはサーキュラーキーからF2で約12分、ワトソンズベイはF9でローズベイ経由20分ちょっとです。それぞれ1時間〜1時間半の滞在で、サーキュラーキーでの乗り継ぎを含めても半日に収まります。
フェリーからオペラハウスは見えますか?
よく見えます。サーキュラーキーから北側・東側へ向かう便はオペラハウスの横を通るので、海側から眺められます。船が進むにつれて角度が変わり、帆の重なりがほどけていくように見えるのが路線フェリーならではです。上のデッキに上がるのがおすすめです。









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