ヒルトンKLエグゼクティブラウンジ|33階で野菜を育てるサラダバー

ヒルトン・クアラルンプールに2泊して、いちばん長い時間を過ごしたのは客室でもプールでもなく、33階のエグゼクティブラウンジでした。ヒルトン・オナーズのダイヤモンド特典で利用できる場所です。夕方のカクテルタイム、日が落ちてからの夜景、そして翌朝——同じ部屋なのに、時間帯ごとにまったく違う顔を見せてくれました。

エグゼクティブラウンジの入口。青い花のアレンジメントが置かれている
のんたん

エレベーターを降りた瞬間、青い花のアレンジメントが出迎えてくれます。ここから先は静かな時間ですよ、という合図みたいで好きでした。

目次

ヒルトン・クアラルンプールのエグゼクティブラウンジ|33階の窓は森が正面

ラウンジは33階のワンフロア。テーブル席がゆったり並び、窓に沿って席が配置されています。

ヒルトン・クアラルンプール33階エグゼクティブラウンジの全景。窓に沿ってテーブル席が並ぶ
ヒルトン・クアラルンプール33階ラウンジの窓側テーブル席。スコールで窓の外が真っ白になっている

この写真、窓の外が真っ白ですよね。曇りでも霞でもありません。ラウンジに入った直後に猛烈なスコールが来て、視界がまるごと消えてしまったんです。33階にいるのに、地上がまったく見えなくなりました。

ただ、クアラルンプールのスコールは長く居座りません。この日も2時間後には雨が上がって、後半に載せているような夕焼けが窓いっぱいに広がりました。窓際の席は、真っ白でもとりあえず座っておく——これがKLでの正解だと思います。

そして、雨が上がってからが本題です。KLセントラルという交通の要衝の真上にありながら、正面はビル群ではなくペルダナ植物園(レイクガーデン)の森。33階から見下ろすと、緑の海のなかに池が光っています。

33階から見下ろすペルダナ植物園(レイクガーデン)の緑と池
33階の窓から望むレイクガーデンの森と街並み
ノリス

高層階のラウンジって、たいてい「高いビルを見下ろす」のが売りなんですよね。ここは逆で、緑が視界を占める。同じ高さでも受ける印象がまるで違うのは興味深いんです。

奥にはワークスペースもあって、PCとプリンターが自由に使えるようになっていました。出張で使う人には便利だと思います。

ラウンジ内のワークスペース。PCとプリンターが自由に使える

ラウンジ内で野菜を育てている|Farm to Tableのサラダバー

このラウンジでいちばん驚いたのが、これです。

「Snip・Sauce・Serve」「FARM to TABLE」の札が立つ水耕栽培のサラダバー。葉物が生きたまま置かれている

「Snip(切って)/Sauce(かけて)/Serve(盛る)」「FARM to TABLE」と書かれた台の上で、葉物野菜が実際に育っています。土ではなく水耕栽培で、生きたままラウンジに置かれていて、食べたい分だけその場で摘み取る仕組みです。

水耕栽培の葉物野菜が育つFarm to Tableのサラダバーを正面から見たところ

「え、これ本物?さっきまで生きてたやつを食べるってこと?」

小3のメイは、しばらく葉っぱの根元をのぞき込んでいました。スーパーで袋に入った状態でしか野菜を見たことがない子にとって、「切る前の姿」が目の前にあるのはなかなかの衝撃だったようです。

野菜スティックやドレッシング類も充実していて、サラダだけでもけっこうな満足度でした。

人参やきゅうりの野菜スティックとサラダボウル
数種類のドレッシングとディップ
木のボウルにたっぷり盛られたサラダ
ノリス

鮮度を語るより、生きたまま置いておくほうが早いんですよね。説明ゼロで伝わるうえに、輸送も廃棄も減る。よくできた仕掛けだと思います。

夕方のカクテルタイム|軽食のつもりが夕食になった

夕方になると、ラウンジの様相が変わります。カナッペが整然と並び、冷菜が広がり、ワインクーラーにボトルが立ちます。

斜めに整列させて並べられたカナッペ
整然と並べられた赤いトマトのカナッペ

寿司風の一皿やフルーツの盛り合わせも。見た目の作り込みが、想像していたラウンジの軽食より一段上でした。

色鮮やかに盛り付けられた寿司風の一皿とフルーツ
寿司風の一皿とフルーツの盛り合わせ

チーズとグリッシーニ、オリーブ、穀物のサラダ。この辺りをつまみながら飲みはじめると、もう腰が上がりません。

チーズの盛り合わせとグリッシーニ
オリーブやドライトマト、穀物のサラダが並ぶ冷菜コーナー
ミニトマト、紫キャベツ、根菜の冷菜が並ぶ

温かい料理も数種類。炒飯やスパイスの効いた米料理、チキンなど、しっかりお腹にたまるものが並びます。

温かい炒飯が入ったチェーフィングディッシュ
スパイスの効いた黄色い米料理
野菜と一緒に炒められた温菜
チェーフィングディッシュに盛られたチキンの温菜

そして、ここが面白いところ。ロビー階のレストランVasco’sのシェフが、ラウンジに出張してきてその場で調理してくれるコーナーがありました。この日のメニューはパブバジ(スパイスの効いた野菜の煮込みをパンにつけて食べるインドの軽食)でした。

Vasco'sのシェフによるライブ調理の案内札。ONLY IN EXECUTIVE LOUNGE HILTON KLと書かれ、本日のメニューはSPICED VEGETABLES PAV BHAJI
ライブ調理で提供された料理と案内カード
のんたん

「ちょっと一杯だけ」のつもりが、気づけばここで夕食が完結していました。外に食べに出る日を1日減らせたのは、正直かなり助かりました。

お酒はワイン・ビール・シャンパン|夕焼けと一緒に飲む33階

ドリンクも充実していました。ワインはオーストラリア産が中心。ソフトドリンクのディスペンサー、冷蔵庫の炭酸飲料、紅茶のポットサービス、コーヒーマシンと、飲みたいものはひととおり揃います。

ラウンジで提供されていた白ワイン「CHALK HILL BLUE」のボトル
氷を詰めたワインクーラーに立てられた白ワインのボトル
色とりどりのジュースが入ったディスペンサー3台
炭酸飲料が並ぶラウンジの冷蔵ショーケース
銀のポットで提供される紅茶とカップ
ラウンジのコーヒーマシン

ビールを片手に窓側の席に座ると、外の景色がどんどん変わっていきます。スコールで真っ白だった窓は、ガラスを雨がつたう時間を挟んで、やがて夕方の色に染まっていきました。

スコールの雨がガラスをつたう33階の窓辺に置かれたビールのグラス
窓辺のテーブルに置かれたビールのグラスと夕暮れの景色

そして、この時間。森の向こうに日が沈んでいくのを、グラス越しに眺めていました。

夕暮れの窓を背にしたシャンパングラス
33階の窓から見た夕焼け。森の向こうにKLの街並みが霞む

完全に日が落ちると、今度は谷筋に沿って街の明かりが浮かび上がります。昼は森だった場所が、夜は光の川になる。同じ窓とは思えませんでした。

夜のクアラルンプール。谷筋に沿って街の明かりが川のように連なる

朝のラウンジ|点心とお粥で軽く済ませたい日に

ラウンジは朝も開いています。ロビー階のVasco’sでフルビュッフェを食べる日もあれば、33階で軽く済ませる日もある——この選択肢があるのが良かったです。

朝のラウンジのビュッフェ台。サラダやフルーツが並ぶ

蒸籠には肉まん。隣には「PLAIN CONGEE WITH CONDIMENTS」の札が立ったお粥のコーナーがあり、薬味を自分で足せます。

蒸籠に入った肉まんと、PLAIN CONGEE WITH CONDIMENTSと書かれたお粥コーナーの札

コールドカットやチーズ、フルーツ、サラダ、温菜も一通り。ジュースのディスペンサーもあります。

朝のコールドカットとチーズの盛り合わせ
朝の冷菜コーナー。サラダと小鉢が並ぶ
朝のフルーツと冷菜の盛り合わせ
赤い鍋に入った朝の温菜
朝の白米と付け合わせ
朝のジュースディスペンサー
ノリス

出かける日の朝って、量より速さが欲しいんですよね。フルビュッフェと軽食を選べる二段構えは、滞在の後半ほど効いてくると思います。

ノリスのラウンジROI決算|特典で付いてくる価値を数字にする

エグゼクティブラウンジの価値(2泊・3名/概算)

① 利用条件 今回は2泊70,000ポイントのポイント宿泊だったが、ヒルトン・オナーズ ダイヤモンド特典により家族3人とも追加料金なしで利用できた。子ども(メイ)の同伴も無料で、人数制限や子ども料金の請求はなし。エグゼクティブフロア宿泊者も利用可。

② 実際に使った回数 夕方のカクテルタイム 2回/朝の軽食 1回(残る朝はロビー階Vasco’sのビュッフェを利用)

③ 館内の飲食単価(実会計から)
・プールサイドバー Boardwalk のドリンク会計 43.50 MYR
・Vasco’s の朝食 1名分(予約に入っていなかったメイの分・有償) 44.00 MYR
館内で何かを1回頼むと、1名あたり 40〜45 MYR の水準でした。

④ 置き換えて考えると
夕方のカクテルタイムは軽食どころか夕食が成立する量でした。仮に館内で同等の飲食を家族3人ぶん払ったとすると、1回あたり120〜135 MYR程度。これを2回ぶんと朝1回、ざっくり 300 MYR前後(約12,000円)が特典で置き換わった計算になります。

⑤ 判定:圧勝
金額もさることながら、外に食べに出る日を1日減らせたことのほうが大きかったです。移動と店探しの時間がまるごと浮きました。
※③④は同一滞在中の実会計をもとにした概算で、ラウンジ利用料として請求された金額ではありません。

ノリス

ラウンジの価値って、飲み食いの金額より「決めなくていい」ことなんですよね。夕方どこへ行くか考えずに済むのは、旅の疲れ方が変わると思います。

もうひとつ、このラウンジには「立地ならでは」の意味があります。ヒルトン・クアラルンプールは隣のル・メリディアン・クアラルンプールと建物の作りが完全に同じ兄弟ホテルで、プールとジムは両ホテルの完全共用なんです。どちらに泊まっても同じ水で泳げてしまう。

つまり、2軒を分ける要素として残るのがラウンジです。そして我が家は今回、ヒルトンに2泊したあとル・メリディアン側にも1泊したので、両方のラウンジを見比べることができました。結論から言うと、子連れならヒルトン側のいちばん強い札がこのラウンジです。

ル・メリディアン側の客室にあった日本語のクラブラウンジ案内には、12歳以下の子どもが使えるのは6:30〜17:30までと書かれていました。夕方のカクテルタイムに子どもは入れません。一方ヒルトン側は時間の制限も子ども料金もなく、メイも一緒にカクテルタイムを過ごせました。料理の内容以前に、家族で過ごせる時間そのものが違います。

ノリス

共用してしまった設備は、もう差別化には使えないんですよね。だとすると兄弟ホテル2軒の勝負どころは、外に出していない上級会員向けのフロアになります。そしてその差は料理の豪華さより「誰が、何時まで入れるか」に出る。子連れにとっては、そこが全部だと思います。

子連れで気になるのが「子どもも入れるのか」「別料金がかかるのか」だと思います。結論から言うと、メイも問題なく利用できて、追加料金は一切かかりませんでした。人数の上限を言われることも、子どもの分だけ請求されることもありません。

これ、地味にありがたいポイントでした。というのも、ロビー階のVasco’sで朝食を食べたときは、予約に入っていなかったメイの分が有償で44.00 MYR請求されているんです。同じ朝ごはんでも、33階のラウンジで済ませれば3人とも無料。子連れだと、この差がそのまま滞在費に効いてきます。

夕方のカクテルタイムは照明が落とされて落ち着いた雰囲気になりますが、騒がしくしなければ子どもがいて浮くような空気ではありませんでした。我が家は早めの時間帯に寄って、そのあとプールへ移動する流れにしていました。

旅育ポイント
  • ラウンジの中で葉物野菜が育っているのを見て、メイが「切る前の野菜」を初めて意識した。袋詰めされた姿しか知らなかったものに、根と土(水)があることを目で確かめた。
  • 同じ33階の窓が、昼は森、夜は光の川に変わることに気づいた。「街の明かりって、道の形なんやね」と、地形と人の暮らしのつながりを自分の言葉にした。
  • 下の階のレストランのシェフが、わざわざ33階まで来て目の前で作ってくれることに驚いた。サービスが「運ばれてくる」だけでなく「人が動いて生まれる」ことに気づいた瞬間。

エグゼクティブラウンジの利用時間とアクセス

【施設名】エグゼクティブラウンジ/ヒルトン・クアラルンプール
【所在地】3 Jalan Stesen Sentral, 50470 Kuala Lumpur, Malaysia(ヒルトン・クアラルンプール 33階)
【電話番号】+60 3-2264 2264
【利用時間】平日 6:00〜22:00/週末・祝日 6:30〜22:00
【利用条件】エグゼクティブフロア宿泊者、およびヒルトン・オナーズ ダイヤモンド会員
【設備】ワークスペース(PC・プリンター)、窓側テーブル席、Farm to Table式のサラダバー
【アクセス】KLセントラル駅と直結。ホテルのエレベーターで33階へ
※最新の営業状況等は、必ず公式HPをご確認ください。

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この記事を書いた人

関西在住の40代。妻マイ・娘メイとの家族旅行を「旅育」として綴る、ブログ「のんたん家のはなし」の筆者です。夫婦そろって大手小売・流通グループのフルタイム管理職。ANAプラチナ(SFC)・ヒルトンダイヤモンド・マリオットプラチナの上級ステータスを活かしたVIP体験と、47都道府県制覇の旅の記録を、パパ目線でお届けしています。現在はANAダイヤモンドへの復帰を目指して修行中です。

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