ヒルトン・クアラルンプールに2泊した滞在で、いちばん「マレーシアに来たな」と実感したのが朝食でした。会場はロビーフロアのオールデイダイニングVasco’s(ヴァスコス)。ヒルトン・オナーズのダイヤモンド特典で朝食が付いてきます——ただし今回、特典が効いたのは予約に入っていた大人2名分まででした。メイの分は有償です(この話は後半で詳しく書きます)。

のんたんビュッフェって、正直どこも似てくるものだと思っていました。でもここは違いました。マレー系・中華系・インド系の朝ごはんが、遠慮なく全部並んでいるんです。
ヒルトン・クアラルンプールの朝食|Vasco’sは多民族国家がそのまま並ぶ
ビュッフェ台をひとまわりして、まず面白いと思ったのがこれでした。ホテルが自ら「Iconic Breakfasts」と札を立てて、ナシレマ(ココナッツミルクで炊いたご飯にサンバルと小魚を添えるマレーシアの国民食)を主役に据えているんです。


その隣にはインド系のコーナー。銅の鍋がずらりと並び、カレーが何種類も湯気を立てています。


さらに「LITTLE INDIA CORNER」の看板が立った一角では、ドーサ(インドの薄焼きクレープ)をその場で焼いてくれます。


そして中華系。お粥、炒飯、点心の蒸籠、白米。日本人にはいちばん取っつきやすいゾーンかもしれません。







マレーシアは人口構成そのものが多民族なんですよね。朝食ビュッフェが3系統に分かれているのは演出じゃなくて、地元の日常をそのまま並べた結果なんだと思います。
「おかゆもカレーも同じテーブルにあるの、へんな感じ!でもどっちも食べたい」
小3のメイは、朝からカレーとお粥を1枚のお皿に盛るという暴挙に出ました。ただ、これがこの国では別におかしくないという話をすると、少し得意げな顔になっていました。
テタレとネスカフェタレ|甘いミルクコーヒーが想像以上だった
飲み物のコーナーに、専用の説明札が立っていました。テタレ(Teh Tarik/マレーシアの引っ張って作るミルクティー)と、ネスカフェタレ(Nescafé Tarik/同じ製法のミルクコーヒー)です。




正直、飲む前は「甘いだけでは」と思っていました。飲んでみたら、これが完全に間違いでした。練乳のこっくりした甘さのなかに、コーヒーの苦みがちゃんと立っている。暑い国の朝に、体がすっと受け入れる味なんです。





2日目は迷わずこれをおかわりしました。日本に帰ってからも、あの味を探してしまうくらい印象に残っています。
ヌードルバーが当たり|麺とスープと具を選ぶとその場で作ってくれる
この朝食でいちばんの当たりは、間違いなくヌードルバーでした。「THE STEAM BASKET & NOODLES」の看板が出ている一角です。


やり方はシンプルで、まず麺を選びます。フォーのような米の麺、中華麺、細麺。次にスープを選び、最後に入れたい具材を指さすと、その場で茹でて仕上げてくれます。


いろいろ試したなかで、はっきりおすすめしたいのがチキンスープです。澄んでいるのに鶏の旨みがしっかり出ていて、朝の胃にちょうどいい。2日とも同じ組み合わせを頼みました。


スパイスの効いた濃いスープも選べます。こちらは大人向けですが、朝から汗をかきたい日にはこちらもよかったです。





作り置きのビュッフェに1か所だけ「その場で作る」を混ぜると、体験の記憶がそこに集中するんですよね。手間のわりに効きがいい設計だと思います。
ロティチャナイとカレー|朝からこれが食べられる幸せ
もうひとつ、忘れられないのがロティチャナイです。薄くのばした生地を鉄板で焼いた、マレーシアの定番の朝ごはん。これをカレーに浸して食べます。


鉄板の上で焼かれていく様子も見られます。


ナシレマ用の薬味も充実していました。サンバル、揚げた小魚、ピーナッツ、きゅうり。自分で好きなだけ組み立てられます。




カレーをご飯にかけただけの一皿が、これほど満足度が高いとは思いませんでした。


正直に書きます|オムレツは期待したほどではなかった
いいことばかり書いてきたので、ひとつ正直なところも残しておきます。
エッグステーションでオムレツを頼んだのですが、これは正直、クオリティが高いとは言えませんでした。具の入り方も焼き加減も、ホテルビュッフェとしては平均かそれ以下という印象です。


ただ、同じ卵でも鉄板で次々に焼かれていく目玉焼きのほうは普通においしかったので、オーダーで作ってもらうより、並んでいるものを取るほうが正解かもしれません。





ここは洋食に寄せず、マレーシアのものを攻めたほうが確実に楽しいです。せっかくこの国に来ているので。
洋食・サラダ・フルーツも一通り|家族の好みがバラけても困らない
とはいえ、洋食側も品数はしっかりありました。ソーセージ、ハム類、シリアル、トースター、パンとペストリー。






フルーツのコーナーは「Vasco’s FRUIT MARKET」という名前で、市場のような見せ方をしていました。パイナップルやマンゴーなど、南国らしい果物が中心です。




そしてサラダバーが良かった。ガラスケースの中で葉物を育てていて、そこから摘んで出す仕組みになっています。




ドレッシングやトッピングの種類も多く、盛り付けの見せ方も凝っていました。




甘いものは、チョコレート系の焼き菓子が中心。デザートで攻めるタイプの朝食ではありませんが、必要十分です。


アレルギー表示の案内が独立した札で出ていたのは、地味ですが安心材料でした。





3人で行くと、それぞれ食べたいものが全然違うんですよね。ここはその全部が同じフロアで揃うので、朝から誰も我慢しなくて済みました。
正直に書きます|ダイヤモンドの無料朝食は大人2名分まででした
もうひとつ、帰国後に精算書を見返して気づいたことがあります。ダイヤモンド特典の朝食が効いたのは、予約に登録されていた大人2名分まででした。
今回はヒルトン・オナーズのポイントで取った無料宿泊枠で、予約上の宿泊者は大人2名。メイは3人目という扱いです。そのためVasco’sの朝食は1名分が有償になり、明細には朝食37.93 MYRにサービス税6%とサービスチャージを足した44.00 MYR(約1,750円)が載っていました。


Vasco’sのビュッフェを使ったのは2泊のうち1回で、もう1回の朝は33階のエグゼクティブラウンジで軽く済ませています。請求が1回分だけなのはそのためです。



朝食特典って、会員本人に付くというより予約に登録された宿泊者に紐づくものなんですよね。3人目を後から連れて行くと、そこだけ通常料金が立ち上がる。子連れだと地味に効いてくる差なので、予約の人数構成は先に見ておくといいと思います。
とはいえ44.00 MYRであの内容なら、払ったことに不満はありません。むしろ「大人2名は無料、子ども1名だけ払う」と最初から分かっていれば、どちらの朝をVasco’sにしてどちらをラウンジにするか、もっと早く決められたと思います。子連れでポイント宿泊をする方は、チェックイン時に朝食の対象人数を確認しておくのがおすすめです。
- おかゆとカレーとナシレマが1つのビュッフェに並ぶ理由を、メイが「この国にはいろんな人が住んでるから」と自分の言葉で説明した。多民族国家という言葉より先に、食卓で体感した。
- ヌードルバーで麺とスープと具を自分で選んで注文。指さしと身振りだけで店員さんに希望を伝えきり、出てきた一杯を「自分で作った」と誇らしげにしていた。
- サラダバーの葉物がガラスケースの中で育っていることに気づき、「切ってから運ぶんじゃなくて、生きたまま置いてあるんや」と発見。食材が届くまでの距離に興味が向いた。
Vasco’sの営業時間とアクセス
【施設名】Vasco’s(ヴァスコス)/ヒルトン・クアラルンプール内
【所在地】3 Jalan Stesen Sentral, 50470 Kuala Lumpur, Malaysia(ヒルトン・クアラルンプール ロビーフロア)
【電話番号】+60 3-2264 2264
【営業時間】6:00〜22:30(オールデイダイニング)
【料金目安】今回はヒルトン・オナーズ ダイヤモンド特典により大人2名分の朝食が無料。予約に入っていなかった子ども1名分は有償で、精算額は44.00 MYR(朝食37.93 MYR+サービス税6%+サービスチャージ/約1,750円)
【アクセス】KLセントラル駅と直結。ホテルのロビーフロアに位置し、宿泊フロアからエレベーターで直行できる
※最新の営業状況等は、必ず公式HPをご確認ください。
海外の朝食ビュッフェって、着くまでどんなものが出てくるか分からないですよね。子どもが食べられるものがあるか、そればかり気にしてしまう。でも、ここは心配のいらない場所でした。メイも「おかゆもカレーも食べたい!」と朝から皿を2枚使う勢いで、こちらが笑ってしまうくらいでした。我が家は、宿はいいところをできるだけ納得できる条件で押さえて、そのうえで現地の味にもしっかり飛び込む、という組み立てが好きです。朝食付きかどうかは滞在の満足度をけっこう左右するので、宿を見比べるときは条件も一緒に確認しておくと安心ですよ。素敵な旅になりますように!
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Vasco’sの朝食ビュッフェ総合評価
★ 総合評価(朝食編)
地域性・差別化 ★★★★☆(ナシレマを「Iconic Breakfasts」として主役に据え、Little India Cornerのドーサ、ロティチャナイ、テタレとネスカフェタレの専用ディスペンサーまで揃う。マレー系・中華系・インド系の朝食が同じフロアに並ぶ構成は、この国に来た実感がはっきりある。ただしKLの同クラスのホテルなら似た構成は取れるため、唯一無二とまでは言えず★4)
子ども向け演出 ★★★☆☆(キッズ専用コーナーや子ども向けの演出は見当たらなかった。白米・ソーセージ・目玉焼き・麺類が揃うので子どもが困ることはないが、特別な配慮があるわけではないので正直に★3)
品数・味のバランス ★★★★☆(品数は3系統ぶんあり十分。ヌードルバーのチキンスープとインド系カレーは明確に平均以上だった。一方でオーダーしたオムレツは焼き加減・具ともに平均以下で、この1点があるため★5にはしない)
コスパ ★★★★☆(ヒルトン・オナーズ ダイヤモンド特典で大人2名分が無料。予約に入っていなかった子ども1名分は44.00 MYR(税・サービス料込)が請求されたので、家族3人ぶんが丸ごと浮くわけではない。それでも実際に払った44.00 MYRに対して内容は十分に見合っており、2名分が無料で付く価値は大きいため★4)
ヒルトン・クアラルンプールの朝食についてよくある質問
ヒルトン・クアラルンプールの朝食会場はどこですか?
ロビーフロアにあるオールデイダイニング「Vasco’s」です。宿泊フロアからエレベーターで直接下りられます。なお33階のエグゼクティブラウンジでも朝の食事が用意されているので、その日の気分で使い分けられました。
ヒルトンダイヤモンド会員は朝食が無料になりますか?
無料になりました。ただし今回の対象は、予約に入っていた大人2名分まででした。3人目だったメイの分はVasco’sで有償となり、精算に44.00 MYR(税・サービス料込)が載っています。特典の対象人数はホテルや予約の人数構成によって変わるので、子ども連れの場合はチェックイン時に「何名分の朝食が付くか」を確認しておくと安心です。
マレーシアらしい朝食は何が食べられますか?
ナシレマ(ココナッツミルクのご飯にサンバルと小魚)、ロティチャナイ(薄焼きの生地をカレーに浸して食べる)、テタレとネスカフェタレ(引っ張って作るミルクティーとミルクコーヒー)が揃います。インド系のコーナーではドーサをその場で焼いてくれました。
子連れでも食べられるものはありますか?
白米、お粥、点心、ソーセージ、目玉焼き、シリアル、パンとフルーツが揃うので、辛いものが苦手でも困りませんでした。ヌードルバーは具材を選べるので、辛くないチキンスープの麺にすれば小さな子どもでも食べられます。
このクラスターの全体まとめはヒルトン・クアラルンプール宿泊記|KLセントラル直結の2泊でまとめています。あわせてどうぞ。











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