ル・メリディアン・クアラルンプールに1泊した目的のひとつが、33階のクラブラウンジでした。前日まで泊まっていた隣のヒルトンにも33階のラウンジがあり、同じ建物・同じ高さで2軒のラウンジを見比べられる——こんな機会はなかなかありません。
結論から書くと、料理もお酒もかなり良かったです。ただし子連れには、はっきりした制限がありました。そこは正直に書きます。

のんたんエレベーターを降りると「LE MERIDIEN CLUB LOUNGE」の表示。奥にバーカウンターとスツールが見えて、これは期待できるぞ、と思いました。
33階の窓際席|森と街のあいだに座る
ラウンジは33階のワンフロア。窓に沿ってテーブル席が並び、ゆったりした一人掛けのソファも置かれています。




窓の外は、手前にペルダナ植物園(レイクガーデン)の緑、その向こうにKLの街並み。ヒルトン側の33階とほぼ同じ方角を向いているので、見える景色もよく似ています。建物の作りが同じ兄弟ホテルなので当然といえば当然なのですが、実際に並べてみると面白いものです。


Cultiveatの摘み取りサラダバー|ハサミで自分の分だけ切る
まず目を引いたのがサラダバーでした。木の枠のなかで葉物が生きたまま育っていて、横にハサミが置いてあるんです。食べたい分だけ自分で切って皿に載せる形式でした。


枠には「Cultiveat」というブランド名と、「Harvest to enjoy a burst of flavour and nutrition」の文字。マレーシアの都市型農業の会社で、ル・メリディアン・クアラルンプールと組んでいるようです。


ドレッシングは4種類(Italian/1000 Island/Chili/French)。周りには漬け込み系の小鉢が並び、それぞれ黒い天板に手書きで名前が書かれていました。Zuke Sundried、Takuan Caper、Rosemary Olive——「Zuke(漬け)」「Takuan(たくあん)」という日本語がそのまま使われているのが面白いところです。


「野菜、生きてる。切っていいの?」



葉物は切った瞬間から鮮度が落ちていくので、食べる直前まで生きたまま置いておくのは理にかなっているんですよね。しかも「自分で切る」という一手間が、そのまま体験の記憶になる。廃棄も減るはずで、見せ方と原価の両方に効いている設計だと思います。
冷菜・チーズ・ローカルの一皿|チキンルンダンパフが効いた
冷菜まわりは、チーズボードとサラダ類が中心。エメンタールとチェダーが木のボードに載り、ナッツやドライフルーツが添えられています。




ポテトサラダ、ズッキーニ、ビーツのサラダ、シーフード入りのパスタ。ここも小さな黒板書きで名前が添えられていて、何が入っているのか分かるようになっています。




そして、いちばん「マレーシアだな」と思ったのがこれ。Chicken Rendang Puff(チキンルンダンパフ)とTuna Puffです。ルンダンはココナッツとスパイスで牛肉や鶏肉を煮込んだマレー料理の定番で、それをパイ生地で包んで一口サイズにしてある。アレルギー表示も黒板に手書きされていました。


ジャラペーニョビーフとパンプキンシードの小さな焼き菓子も出ていて、この手のローカル寄りの一品が並んでいると、ラウンジで済ませても「その国で食べた」感じが残ります。


温菜とヌードルステーション|これは夕食が成立する量
温菜はIH式の鍋で3〜4種類。ベジタブルグラタン、ミートソースとチーズを重ねたラザニア風、それにスープが1種。どれも80℃設定で保温されていました。












そしてヌードルステーション。黒板には「Soups:Creamy Seafood/Chinese Herbal Soup」「Noodles:Yellow mee/Rice Noodles・Bihun」とあり、スープと麺を選んでその場で作ってもらえます。薬味はChili Pickle、Chili Soy Sauce、セロリ、青ネギなど。


ライブ調理のコーナーもあり、手袋をしたスタッフがその場で仕上げてくれます。





正直、これは「軽食」ではありません。麺を一杯もらって、温菜を少し、サラダを自分で切って——それで夕食は完全に成立しました。
生ビールのサーバーがある|大人にはここが効く
ドリンクで驚いたのが、ドラフトビールのサーバーが並んでいたことです。ラウンジのビールは瓶か缶、というホテルが多いなかで、注ぎたてが飲めるのはかなり贅沢でした。




ワインは赤・白ともボトルで数種類。冷蔵ショーケースには缶のソフトドリンクとスパークリングウォーターも冷えています。




おつまみはオリーブ、ひよこ豆、クリュディテ(生野菜のスティック)。ビールを片手に、これをつまみながら日が落ちるのを待つ時間が良かったです。





ラウンジに樽を入れるのって、設備も洗浄の手間も必要なんですよね。それでも置くのは、滞在時間をここで伸ばしてもらう狙いだと思います。外に飲みに出られるとホテルの売上は0になりますが、ラウンジで満足すれば翌朝の朝食も館内で取ってもらえる。1杯のビールがそのあとを全部つなぐ設計です。
illyのマシンとBOHの紅茶|ドリンクはブランドで揃えている
コーヒーは全自動のillyマシン。ル・メリディアンはillyと組んでいて、客室のカードからロビーのカフェ、そしてこのラウンジまで同じブランドで通っています。




紅茶はマレーシア産のBOH(ボー)。キャメロンハイランドの紅茶で、マレーシアではどこでも見かける国民的なブランドです。輸入品で揃えず、こういうところにローカルを入れているのは好感が持てました。
ジュースは瓶詰めのものが冷蔵ケースにずらりと並び、S!Freshのマンゴージュースなどマレーシアらしい味も選べます。






デザートは冷蔵ケースの中に小さなケーキやタルトが数種類。クッキーはガラス瓶に入れて置かれていて、「MOCHA WALNUT ALMOND COOKIES」といったラベルが付いていました。






夕暮れから夜景へ|33階の時間が変わっていく
日が傾いてくると、窓の外の色がゆっくり変わっていきます。グラス越しに見る夕焼けは、この高さでしか味わえないものでした。




そして日が落ちきると、街の明かりが谷筋に沿って広がります。


正直に書きます|12歳以下がラウンジを使えるのは17:30まで
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
客室に日本語のクラブラウンジ利用案内が置かれていて、そこにはっきりこう書かれていました。12歳以下のお子様がクラブラウンジを利用できるのは6:30から17:30まで(メンバー同伴で12歳以下2名まで)。
つまり、18:00からのイブニングカクテルタイムに、子どもは入れません。上に書いた温菜もヌードルステーションも生ビールも、すべてこの時間帯のものです。



前日までのヒルトン側では、メイも一緒にカクテルタイムに入れていました。だから同じつもりでいたら、こちらは違った。ここは事前に知っておきたかったです。
誤解のないように書いておくと、これはル・メリディアンが冷たいという話ではありません。カクテルタイムを大人の時間として明確に設計している、というだけのことです。実際、17:30までの時間帯なら子どもも問題なく使えます。
ただ、「夕方のラウンジで家族3人そろって過ごす」ことを楽しみにしている人にとっては、これは決定的な差になります。同じ建物・同じ33階・同じような眺めなのに、家族で過ごせる時間だけが違う。ヒルトンとル・メリディアンで迷っている子連れの方には、まずここを見てほしいと思います。
▶ ヒルトンKLエグゼクティブラウンジ|33階で野菜を育てるサラダバー“>ヒルトンKLエグゼクティブラウンジ|33階で野菜を育てるサラダバー



時間で客層を切り分けるのは、静けさを守るいちばん確実な方法なんですよね。ビジネス利用の比率が高いホテルほど、この判断は合理的だと思います。ただ、そのぶん「家族で使える上級会員向けフロア」という価値は手放している。どちらが正しいというより、狙っている客が違うということだと思います。
クラブラウンジの特典と利用条件|案内に書かれていたこと
客室に置かれていた日本語案内から、条件まわりを整理しておきます。
- 場所と営業時間:33階/6:30〜22:00
- 朝食:クラブラウンジ 6:30〜10:30、または5階のLatest Recipe 6:30〜10:30
- イブニングカクテルタイム:18:00〜20:00
- 12歳以下の利用は6:30〜17:30まで(メンバー同伴で12歳以下2名まで)
- 同室に登録された宿泊者に加えて、大人1名までラウンジに招待可能。登録外の同行者は1名あたり141.60リンギット(税込)
- ラウンジ内のプライベートルーム(最大6名)を2時間まで無料で利用可。要事前予約、追加1時間ごとに141.60リンギット(税込)。18:00〜20:00は通常利用不可
- ランドリーを利用した日は33リンギットの割引(ドライクリーニングとエクスプレスは対象外)
- ドレスコードはスマートカジュアル。タンクトップ、スポーツウェア、ゴム製サンダル、ホテルのスリッパでの利用は不可
- 食事の持ち込みは不可。座席の予約も不可
ランドリーの割引と、時間制で使えるプライベートルーム。このあたりは明らかに出張者を意識した設計です。子連れの家族旅行より、ビジネス滞在のほうが恩恵を受けやすい構成だと思います。
- サラダバーの葉物が「切られた野菜」ではなく「生きた株」で置かれていることに気づき、なぜそうするのかを自分で考えた。鮮度という言葉が、味ではなく状態の話だと分かった瞬間だった。
- チキンルンダンパフを食べて、ルンダンがマレーシアの家庭料理であることを知った。同じ料理がホテルのラウンジにも家庭にもある、という文化のつながりに触れた。
- 紅茶がマレーシア産のBOHだと知り、「お茶ってこの国でも作ってるんや」と産地の話に興味が向いた。日本の茶畑との比較まで会話が広がった。
- 「17時半までしかいられない」というルールを自分の目で確かめ、場所ごとに大人と子どもで違う決まりがあることを受け入れた。理由を聞いて納得する、という経験になった。
ノリスのラウンジROI決算|1泊23,500ポイントに何が乗ったか



では、このラウンジがいくら分の価値だったのかを見てみます。
クラブラウンジの価値(1泊・概算)
① 利用条件 1泊23,500ポイントのポイント宿泊で、マリオット・ボンヴォイのプラチナエリート特典により追加料金なし。ただし12歳以下は17:30までという時間制限あり。
② 実際に使った時間帯 夕方のイブニングカクテルタイム(18:00〜20:00)。翌朝は早朝出発のため、朝のラウンジと朝食は利用していません。
③ 置き換えて考えると
温菜・ヌードルステーション・サラダバー・生ビールとワインで、外に食べに出る1回分がまるごと不要になりました。KLセントラル周辺で大人が同等の食事と飲み物を頼めば、ひとりあたり80〜120リンギット程度は見ておく必要があります。
④ 登録外ゲストの正規料金から逆算
案内には、登録外の同行者を1名ラウンジに入れる場合141.60リンギット(税込)と明記されていました。ホテル自身が付けている「ラウンジ1名分の値段」がこれ、ということになります。
⑤ 判定:圧勝(ただし大人限定)
1泊23,500ポイントに、スイートへのアップグレードとこのラウンジが乗る。大人だけの滞在なら文句なしです。ただし夕方の時間帯を家族3人で使えないので、子連れの評価はここで一段下がります。
※③は同等の外食を想定した概算で、ラウンジ利用料として請求された金額ではありません。
クラブラウンジの場所と営業時間
【施設名】ル・メリディアン クラブラウンジ/ル・メリディアン・クアラルンプール 33階
【所在地】2 Jalan Stesen Sentral, Kuala Lumpur Sentral, 50470 Kuala Lumpur, Malaysia
【電話番号】+60 3-2263 7888
【営業時間】6:30〜22:00(朝食6:30〜10:30/イブニングカクテルタイム18:00〜20:00)
【利用条件】クラブフロア宿泊者、およびマリオット・ボンヴォイのプラチナエリート以上。12歳以下は6:30〜17:30
【アクセス】KLセントラル駅直結。ロビーからエレベーターで33階へ
※最新の営業状況等は、必ず公式HPをご確認ください。
海外のホテルでラウンジが使えるかどうかって、旅の予算と時間の使い方をまるごと変えてしまいますよね。夕方に一度腰を下ろせるだけで、その日の疲れの残り方が違ってくる。メイも「野菜、生きてる」とハサミを持って大喜びでした。我が家は、宿はいいところをできるだけ納得できる条件で押さえて、そのうえで現地の体験にもしっかり飛び込む、という組み立てが好きです。ただしラウンジは子どもの利用時間に制限があることも多いので、家族で使うつもりなら条件を先に確認しておくと当日が楽になりますよ。素敵な旅になりますように!
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ル・メリディアン クラブラウンジの総合評価
★ 総合評価(クラブラウンジ編)
料理・ドリンクのクオリティ ★★★★☆(Cultiveatと組んだ摘み取り式のサラダバー、スープと麺を選べるヌードルステーション、チキンルンダンパフというローカルの一品、そしてドラフトビールのサーバー。カクテルタイムだけで夕食が成立する量と幅があり、明確に平均以上。ただし温菜そのもの(グラタン・ラザニア風)は一般的なラウンジ水準なので★4)
空間と眺望 ★★★★☆(33階の正面がペルダナ植物園の緑で、夕焼けから夜景まで時間帯で表情が変わる。窓際席とバーカウンター、個室のプライベートルームまで用途が分かれている。ただし隣のヒルトン側と同じ建物・同じ高さ・ほぼ同じ方角で、この立地でしか見られない眺めとまでは言えないため★4)
子連れのしやすさ ★★☆☆☆(12歳以下の利用が6:30〜17:30に限られ、18:00からのイブニングカクテルタイムに子どもは入れない。ラウンジの見どころが集中する時間帯に家族で入れないのは、子連れにとって明確な不利。17:30までなら問題なく使えるが、同条件のヒルトン側が時間制限も子ども料金もないことを踏まえると平均を下回る)
コスパ(ステータス恩恵込み) ★★★★☆(1泊23,500ポイントのポイント宿泊に、スイートへのアップグレードとこのラウンジが追加料金なしで乗る。ホテル自身が登録外ゲスト1名を141.60リンギットと値付けしていることからも価値は明確。ただし子連れだと夕方の時間帯を使えず全額を享受できないため★5にはしない)
ル・メリディアンKLのクラブラウンジについてよくある質問
クラブラウンジは何階で、何時から使えますか?
33階です。滞在時の案内では6:30〜22:00で、朝食が6:30〜10:30、イブニングカクテルタイムが18:00〜20:00でした。時間は変わることがあるのでチェックイン時に確認してください。
子連れでもクラブラウンジを使えますか?
使えますが、時間の制限があります。滞在時の案内には12歳以下の利用は6:30〜17:30までと明記されていて、18:00からのイブニングカクテルタイムに子どもは入れませんでした。メンバー同伴で12歳以下2名までという条件も付いています。夕方に家族そろってラウンジで過ごしたい場合は、この点を必ず確認してください。
誰がクラブラウンジを利用できますか?
クラブフロアの宿泊者と、マリオット・ボンヴォイのプラチナエリート以上の会員です。今回はポイント宿泊でしたが、プラチナエリート特典として利用できました。同室に登録された宿泊者に加えて大人1名まで招待でき、それを超える同行者は1名あたり141.60リンギット(税込)と案内されていました。
カクテルタイムだけで夕食になりますか?
なりました。スープと麺を選べるヌードルステーション、IH鍋の温菜が数種、摘み取り式のサラダバー、そしてローカルのチキンルンダンパフやツナパフまで並びます。生ビールのサーバーとワインもあるので、実際に外へ食べに出る必要はありませんでした。
ヒルトン側のラウンジとどちらがいいですか?
大人だけの滞在ならル・メリディアン側にも強みがあります。生ビールのサーバー、時間制で使えるプライベートルーム、ランドリー33リンギット割引など、出張者に効く特典が揃っています。一方で子連れなら、時間制限も子ども料金もないヒルトン側のほうが確実です。プールとジムはどちらに泊まっても共用なので、ラウンジの条件が実質的な決め手になります。











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