「マイルが10万マイルあればステータスも上がると思ってた」——SFC修行を始めた当初、私もそう思っていました。まったく違いました。マイルとPP(プレミアムポイント)は、そもそも役割が違う全くの別物です。この違いを最初に理解するかどうかで、修行の設計が大きく変わります。
のんたん修行を始めた当初、マイルを貯めれば自然とプラチナになれると思っていました。「なんでPPが増えないんだろう」と画面とにらめっこした夜を今でも覚えています(笑)。同じ思いをする人を減らしたくて、この記事を書きました。
マイルとPP——「目的」が根本的に違う
ANAマイレージクラブには「マイル」と「プレミアムポイント(PP)」という2種類のポイントが存在します。似て非なるこの2つ、まず用途の違いから整理します。
マイルとPPの根本的な違い
マイル(通常マイル)
▶ 特典航空券・座席アップグレード・商品交換などに使う「通貨」
▶ 口座に残り続け、一定期間使わないと失効(通常36ヶ月)
▶ カード決済・ショッピング・フライトなど多様な方法で貯まる
PP(プレミアムポイント)
▶ ANAの上級会員ステータス(ブロンズ・プラチナ・ダイヤモンド)を決める「ものさし」
▶ 毎年12月末にリセット。翌年に繰り越せない
▶ ANA・コードシェア便などのフライトのみで貯まる(カード決済だけでは貯まらない)
▶ 換金・譲渡・移管は一切不可



「マイルがいくらあってもステータスは上がらない」——これが初心者が最もはまる落とし穴なんですよね。PPとマイルは同じフライトで同時に貯まりますが、用途は完全に分離していると思います。


PPの計算式——3つの要素で決まる
PPがどのように計算されるかを理解しておくと、修行のルートや運賃クラスの選択が合理的にできるようになります。計算式はシンプルです。
PP計算式(フライト1区間あたり)
PP = 区間基本マイル × 運賃積算率 × 路線倍率 + 搭乗ポイント
① 区間基本マイル:路線ごとに定められた飛行距離ベースの数値(ANA公式に路線別一覧あり)
② 運賃積算率:選んだ運賃クラスによって変わる係数(例:スタンダードなら80%)
③ 路線倍率:国内線は一律 ×2、国際線はアジア・オセアニア路線 ×1.5 など路線区分で決まる
④ 搭乗ポイント:運賃クラスに応じて加算(2026年新運賃以降:フレックス400PP・スタンダード200PP・シンプル100PP・セール0PP)



最初に計算式を見て「難しそう」と思いましたが、路線ごとの区間基本マイルさえわかれば、あとは掛け算と足し算だけなんですよね。ANA公式のシミュレーターを使えば自動で出てくるので、そちらも活用してみてください。
計算式の正式な定義とプレミアムポイントシミュレーションは、ANA公式のプレミアムポイントについてのページで確認できます。
伊丹—那覇を例に実際に計算してみる
関西発修行の定番ルート、伊丹(ITM)—那覇(OKA)を例にPP計算を体感してみましょう。
ITM—OKA スタンダード運賃での計算例(片道・参考値)
区間基本マイル:739マイル(「大阪—沖縄」区間。伊丹・関空とも同じ扱い)
PP = 739 × 80%(スタンダード積算率) × 2(国内線路線倍率) + 200(搭乗ポイント)
PP = 1,182 + 200 = 約1,382PP(片道)
往復合計:約2,764PP
プラチナ(50,000PP)達成には、同条件でおよそ19往復が必要な計算になります。ライフソリューション活用で必要PPを30,000PPに圧縮できれば約11往復まで減らせます。
※ 上記は参考概算値です。正確な数値はANA公式シミュレーターでご確認ください。プレミアムクラスは積算率が異なります。



19往復と聞くと多く感じますが、乗り継ぎ区間の追加やキャンペーンPP(時期によって最大2倍)、ライフソリューションでの必要PP圧縮を組み合わせると、現実的な回数に収まってくるんですよね。設計次第で見え方が変わると思います。
2026年新運賃でPP積算はどう変わったか
2026年5月搭乗分から、ANA国内線の運賃体系が「フレックス・スタンダード・シンプル・セール」の新体系に移行しました。旧来の「スーパーバリュー」シリーズが廃止され、PP修行の戦略にも影響が出ています。
| 運賃種別 | PP積算率 | 搭乗ポイント | 修行での位置づけ |
|---|---|---|---|
| フレックス | 100% | 400PP | PP効率は最高。費用が高め |
| スタンダード | 80% | 200PP | コスパと柔軟性のバランス型。修行の主力 |
| シンプル | 70% | 100PP | 低コストだがPP効率は低め |
| セール | 低率 | 0PP | 搭乗ポイントゼロ。修行には不向き |



セール運賃が安くて飛びつきたくなるんですが、修行目的で使うと搭乗ポイントがゼロになるんですよね。安さに引かれて買って「PPが思ったより増えなかった」という経験を一度しました。
▶ 新運賃ごとのPP積算率・搭乗ポイントの詳細比較:ANA新運賃2026年版|シンプル・スタンダード・フレックスのPP積算を解説
修行中に陥りがちな2つの誤解
- 誤解①:特典航空券でもPPが貯まる
特典航空券(マイルで取った無料航空券)でのフライトはPPが積算されません。修行は「有償航空券」で飛ぶことが大前提です。無料航空券でPPを貯めようとするとプラチナへの道が見えなくなります。 - 誤解②:PPは翌年に持ち越せる
PPは毎年12月末でリセットされます。11月に4万PPを貯めても、翌1月にはゼロからスタートです。「何年のいつまでに達成するか」のスケジュール管理がSFC修行の命綱になります。



年末に駆け込み修行が増えるのも、このリセット構造からきているんですよね。12月に「あと少し足りない」と気づいても挽回できる期間が限られているから、計画が重要だと思います。


PP単価——修行コストを測るものさし
修行のコスト効率を測る指標として「PP単価(円/PP)」が使われます。ルート・運賃クラスを選ぶときの判断基準になります。
PP単価の目安
PP単価(円/PP) = フライト費用(往復)÷ 獲得PP(往復)
10円以下:修行向き。積極的に活用できる
10〜15円:許容範囲。ルートや時期によっては選択肢に入る
15円超:割高。修行には向かないケースが多い
関西発の各ルートごとのPP単価比較は「関西(伊丹・関空)発SFC修行ルート|那覇タッチのPP効率比較2026年版」で詳しく解説しています。
ANAプレミアムポイントのよくある質問
特典航空券(マイルで取った無料航空券)でもPPは貯まりますか?
貯まりません。PPが積算されるのは有償航空券(実際に代金を支払った航空券)のみです。また、無料航空券でのフライトはマイルの積算対象にもなりません。修行中はマイルを使った特典航空券を避け、有償で購入した航空券でフライトすることが基本になります。
PPを誰かに譲ったり、他のポイントに交換することはできますか?
できません。PPは他人への譲渡・移管・購入が一切できない個人専用の指標です。マイルとは異なり、家族の分をまとめることもできません。また1月にリセットされますが「失効」ではなく、年内に達成したステータスはきちんと認定されます。
修行中に貯まったマイルはどう使うのがおすすめですか?
修行で積み上がったマイルは、SFC取得後に特典航空券として活用するのが王道です。SFC保有でフライトボーナスマイルが35〜50%(カード種別による)上乗せされるため、SFC取得後の方がマイルも貯まりやすくなります。修行中は「PPを稼ぐ」ことに集中し、マイルの使い方はSFC後に設計するスタンスが効率的です。
▶ あわせて読みたい:SFC修行2026年版|ANAプラチナ取得の全手順と関西発着対応
▶ 修行の必要PPを4割減らす:ANA上級会員をカード決済で目指す|ライフソリューション活用で必要PPが半分に








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