
「ビジネスクラスで往復して、しかもANAの修行(ステータス獲得の乗り込み)も進むのに、支払いは約31万円」——そう聞くと、ちょっと出来すぎに感じますよね。でもこれ、韓国(金浦)発券と羽田でのストップオーバーを組み合わせると、本当に成立してしまう話なんです。この記事では、私が実際にシドニー弾丸1泊2日で使った「金浦発券修行」の仕組みを、なるべく噛み砕いて解説します。数字は現時点のレートでの概算ですが、「なぜお得なのか」の骨格が分かれば、修行の設計はぐっと楽しくなりますよ。
正直、最初は「本当にそんなに安いの?」と半信半疑でした。でも仕組みを理解したら、修行が“我慢”どころか“ご褒美旅”に変わったんです。まずは結論から見てください。
ポイントは2つだけなんですよね。ひとつは「どこで発券するか」で運賃が変わること。もうひとつは「途中降機(ストップオーバー)」で1枚の券に旅を2つ詰め込めること。この掛け算が効いていると考えると面白くて。
そもそも「金浦発券」とは?なぜ同じ便が安くなるのか
金浦発券とは、旅の出発地を日本ではなく韓国(金浦/ソウル)に設定して航空券を買う方法です。乗る飛行機や座席は日本発とまったく同じでも、発券する国(出発地)が変わると運賃そのものが変わる——ここが最大のミソです。
航空券の値段は「どの区間に乗るか」だけでなく「どの国を起点に売られているか」でも決まります。各国の市場の競争環境や通貨事情によって、同じ路線でも国ごとに運賃設定が異なるため、日本発より海外発(今回は韓国発)のほうが割安になることがあるのです。金浦は日本から近く、羽田行きの便も多いので、修行との相性が良い定番の起点になっています。
同じ商品でも売る国で値付けが違う、というのは小売でもよくある話なんですよね。航空券はその差が大きく出やすくて、しかも「席の中身は同じ」。だからこそ、どこで買うかの設計余地が生まれるんだと思います。
ストップオーバーで「1枚の券に2つの旅」を組む
金浦発券の威力をさらに引き上げるのがストップオーバー(途中降機)です。これは、乗り継ぎ地点で長く滞在してから次の便に乗る仕組み。今回は羽田で数か月のストップオーバーを挟みました。つまり、金浦を起点にしながら、実際には「羽田を拠点に2つの旅」を1枚の券で回す形です。
🗺 実際の“ループ”ルート(1枚の航空券・全4区間)
① 金浦(ソウル) → 羽田(NH868・ビジネス)… ここから羽田をストップオーバー拠点に② 羽田 → シドニー(NH879・ビジネス)
③ シドニー → 羽田(NH880・ビジネス/座席2C)… 再び羽田でストップオーバー
④ 羽田 → 金浦(ソウル)(NH865)
= 1枚の券に「羽田⇄シドニーの往復ビジネス」+「金浦⇄羽田の往復(韓国への行き来)」がまとまって成立。①②③④は同じ年の別々の月に分けて搭乗するので、途中の羽田滞在がまるごと“自宅拠点の数か月”になります。
ストップオーバーの回数や条件は運賃規則によって異なり、有償・無償の扱いも券種次第です。細かいルールは購入時に必ず確認が必要ですが、うまく組めば「1回分の運賃で2回旅する」設計が可能になる——これが修行を“旅”として楽しめる最大の理由です。
実額で見るコスパ:約31万円で“2旅行分”のビジネス
では、実際にどれだけお得なのか。今回の金浦発券は、上の2旅行がまとまって約2,845,000ウォン(現在のレートで約31万円)でした。これを、シドニー分だけを日本発のANA公式で普通に買った場合と比べてみます。
💺 金浦発券のコスパ検証(同じ NH879/NH880 ビジネス)
・金浦発券(今回)… 約2,845,000ウォン ≒ 約31万円。しかもこの1枚にシドニー往復+数か月後の韓国往復の2旅行分のビジネスが込み。
・日本発(ANA公式・参考)… 往路NH879 396,790円 + 復路NH880 464,790円 = 往復 861,580円(Classic運賃・2026年7月時点/シドニー1旅行分のみ)。
→ シドニーのビジネス往復1回分よりも安い金額で、金浦⇄羽田の往復までついてくる計算に。
※実際の運賃内訳は「運賃 2,845,000ウォン + 税金・料金 120円」。支払いのほぼ全額がウォン建てなので、円換算額は為替で上下します(上記は2026年7月時点の概算)。


このウェルカムシャンパンも、フルフラットの座席も、全部この金額の“中”なんですよね。エコノミーで我慢する修行を想像していたので、いい意味で拍子抜けでした(笑)。
プレミアムポイント(PP)・マイルはどれだけ貯まる?
修行の目的は「安く乗ること」だけでなく、プレミアムポイント(PP)を貯めてステータスに近づくこと。金浦発券は、このPPの積算効率という面でも優秀です。PPは「区間マイル × 積算率 × 路線倍率 + 搭乗ポイント」で決まるので、ビジネスクラス(高い積算率)で長距離を飛ぶほど効率が上がります。
📈 実際に貯まったPP(この1枚の券・全4区間)
| 区間 | 便・クラス | 獲得PP |
|---|---|---|
| 金浦 → 羽田 | NH868・Z | 1,821 |
| 羽田 → シドニー | NH879・Z | 9,518 |
| シドニー → 羽田 | NH880・Z | 9,518 |
| 羽田 → 金浦 | NH865・Z | 1,821 |
| 合計 | 約22,678 PP |
この券の支払いは約31万円なので、PP単価は約13.7円/PP(1PPあたり約14円)。ビジネスクラスの旅を2つ楽しみながらこの効率で積めるのは、修行として十分に強い数字です。
※PPは「区間マイル×積算率×路線倍率+搭乗ポイント」で決まります。計算の仕組みはプレミアムポイント(PP)とは|計算式と仕組み、運賃別の積算率はANA新運賃2026年版|PP積算の解説をご覧ください。
ANAのステータスは、年間のプレミアムポイントが 30,000(ブロンズ)/50,000(プラチナ=SFC相当)/100,000(ダイヤモンド) が目安で、いずれも「うちANAグループ運航便が半分以上」という条件がつきます。私の実績でいうと、前年は57,723PPでプラチナ圏、そして今年はこの修行を含めてすでに33,072PP(うちANA便32,810PP)まで来ました。金浦発券の羽田⇄シドニー往復だけで約1.9万PPが一気に乗るので、修行の“主砲”としてかなり効きます。ステータス全体の設計はANAダイヤモンド復帰作戦(修行の全設計)にまとめています。

修行のコスパは「PP単価(1PPあたり何円かかったか)」で測ると分かりやすいんですよね。金浦発券は運賃が安く、ビジネスで積算率も高いので、この単価が下がりやすい。安く乗れて、しかもよく貯まる——二重においしい設計だと思います。
上級テク:金浦発券は“閉じずに回し続ける”とさらにお得
ここまでは「1枚の券で2旅行」という話でしたが、実は私の場合、金浦発券は単発では終わらせず、常に“開いたまま”継続して回しています。羽田でのストップオーバーを恒常的な拠点にして、年に1〜2回は韓国旅行を織り交ぜながら、その合間に国内(沖縄など)や海外(今回のオーストラリアなど)の旅程を差し込んでいくイメージです。
券を1回ごとに“閉じない”のがコツ。金浦発の割安な運賃ベースを複数の旅程に薄く効かせ続けられるので、1旅程あたりのコスパ(実質運賃・PP単価)がじわじわ良くなっていくんです。今回はシドニーでしたが、行き先が沖縄になることも多い——金浦発券という“土台”の上で、目的地を入れ替えながら旅を積み重ねていく感覚です。
固定費をまとめて最適化していく感覚に近いんですよね。券を開いたまま回し続けると、1回ごとに買い直すより1旅程あたりのコストがならされていく。旅の“定期便”を自分で持っている、みたいな考え方だと思います。
ただしこの回し方は、旅程管理や有効期限の見通しが必要な上級者向けでもあります。次の注意点を踏まえたうえで、無理のない範囲で組んでいくのがおすすめです。
金浦発券のやり方と、知っておきたい注意点
いいことばかりに聞こえますが、金浦発券には手間と前提もあります。挑戦する前に、次のポイントは押さえておきたいところです。
- 最初の一歩は「金浦まで行く」必要がある。起点が韓国なので、旅程のどこかで金浦を発着する形になる。ここまでの足(別途の韓国往復など)も含めて設計する。
- 旅程が固定されやすい。ストップオーバーを含む複雑な券は、日程変更・キャンセルの自由度が下がることがある。予定が読める人向き。
- 為替の影響を受ける。ウォン建てなので、円換算額はレートで上下する。「約31万円」も執筆時点の概算。
- 運賃規則は必ず購入時に確認。ストップオーバーの可否・回数、有効期限、予約クラスは券種で異なる。ルールは変わり得るので最新情報を要チェック。
とはいえ、これらは「予定がある程度読めて、少し手間をかけられる人」なら十分に乗り越えられる範囲。むしろその一手間が、ビジネスクラスの往復2旅行という大きなリターンに化けるわけです。修行全体の設計(どのステータスを、いつまでに、どう積むか)は、別ページにまとめています。
実際に乗ってみた|金浦発券修行のリアル

理屈が分かったら、あとは実際の体験を見るのがいちばん。金浦発の弾丸修行そのものの搭乗記、羽田⇄シドニー往復ビジネスの詳細、そしてシドニー弾丸1泊2日の全行程は、それぞれ別記事にまとめています。この解説とあわせて読むと、「仕組み → 実体験」がつながって理解が深まりますよ。
- ▶ ANAビジネスクラスで弾丸修行|金浦発券・羽田経由で実質2回分
- ▶ ANAビジネスクラス搭乗記|羽田⇄シドニー往復の機内食とアメニティ
- ▶ シドニー弾丸1泊2日ソロ旅まとめ(全行程ハブ)
- ▶ ANAダイヤモンド復帰作戦|修行の全設計/SFC修行2026年版|取得の全手順
まとめ|金浦発券は「安く乗って、よく貯まる」修行の王道
- 発券地を韓国にするだけで運賃が下がる。座席・機材は日本発とまったく同じ。
- ストップオーバーで1枚に2旅行。今回は約31万円でシドニー+韓国の往復ビジネス2つ分。
- PPもよく貯まる。ビジネスの高積算率×長距離で、実測でPP単価は約14円/PP。
- “閉じずに回し続ける”とさらにお得。年1〜2回の韓国旅行に沖縄・海外を織り交ぜ、金浦発の土台を継続すると1旅程あたりのコスパが向上(上級編)。
- 注意点は「金浦までの足・旅程固定・為替・運賃規則」。予定が読めるなら十分に狙える。
修行というと孤独でストイックな響きですが、金浦発券なら「お得な旅そのもの」を積み重ねる感覚。この夏は家族でもシドニーに行くので、そのときのためにも、賢く飛び続けたいと思います。
※本記事の運賃・為替・PP・ストップオーバー条件などは執筆時点の概算・一般的な仕組みの説明です。運賃規則やレートは変動し、券種・時期により条件が異なります。実際の購入時は必ず最新の運賃規則とANA公式サイトの情報をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 金浦発券だと、なぜ日本発より安いのですか?
A. 航空券は出発地(発券国)ごとに運賃が設定されており、市場の競争環境や通貨事情で国ごとに差が出ます。乗る便・座席が同じでも、韓国発のほうが割安に設定されていることがあるためです。
Q. ストップオーバーで本当に「1枚2旅行」になるのですか?
A. 途中降機(ストップオーバー)を活用すると、乗り継ぎ地(今回は羽田)で長期間滞在し、その間に別の旅程を挟めます。今回は羽田を拠点に「シドニー往復」と「数か月後の韓国往復」を1枚の券で組みました。可否・回数は運賃規則により異なるため、購入時の確認が必須です。
Q. 金浦発券のデメリット・注意点は?
A. 起点が韓国なので金浦まで行く手間がある、旅程変更の自由度が下がりやすい、ウォン建てで為替の影響を受ける、といった点です。予定が読める人ほど向いています。
Q. PPはどのくらい貯まりますか?
A. 予約クラスと路線倍率で変わりますが、ビジネスクラスは積算率が高く、長距離ほど効率的です。具体的な計算式はPPとは(計算式と仕組み)、運賃別の積算率はANA新運賃2026年版をご覧ください。


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